海外での時候のご挨拶
海外での時候のご挨拶
時候の挨拶の考え方
日本では当たり前の習慣として根付いている「年賀状」。海外で働くようになったり、海外の取引先が増えてくると、年賀状にあたる時候のご挨拶をどのようにすればよいのか頭を悩ませることになります。「海外=クリスマスカード」という風に考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそんなに簡単ではないのです。
欧米圏だけでも、キリスト教とユダヤ教ではお祝いの仕方や言葉の使い方が異なりますし、ましてやイスラム圏にいたってはまったく異なる習慣があるわけです。何も知らずにみんなにクリスマスカードを送ってヒンシュクを買わないために、しっかり予習しておきましょう!
欧米圏での時候の挨拶
キリスト教圏での定番はクリスマスカード!最近は日本でもよく見かけますね。年明けのご挨拶というよりは、クリスマスと新年、両方の挨拶を兼ねたメッセージであることのほうが多いようです。ちなみに、クリスマスカードには「喪中」という考え方はありませんので、その点を気にする必要はありません。
一方、日本では忘れられがちですが、クリスマスはキリストの生誕を祝う宗教行事。外国へ送るときは、相手がキリスト教であるのかどうかを確かめて送ることが必要になってきます。
え?そりゃ面倒だよ!という場合には、「Season's Greetings」を利用しましょう!これならば、キリスト教の相手ではなくとも気分を害されるリスクはありません。絵柄もできればクリスマスをイメージさせない冬の情景や日本の風景写真などが喜ばれます。
中国や韓国での時候の挨拶
中国や韓国での時候の挨拶
また、ご存知の方も多いかと思いますが、中国では新暦のお正月よりも旧暦のお正月「春節」を盛大にお祝いします。したがって、年賀状の交換も春節に合わせて行う方が多いとのこと。。上記のお年玉くじの抽せん結果も春節明けに発表されます。
韓国においても、日本と同様に年賀はがきも売られていますが、はがきよりもカードのやりとりが一般的とのこと。欧米同様に、年賀状とクリスマスカードをあわせて送っているようです。韓国にはキリスト教の信者も多いからかもしれませんね。ちなみに、カードにのせる絵柄は、干支ではなく縁起が良い鶴が圧倒的に多い!
その他の地域での時候の挨拶
その他の地域で特筆すべきはやはりイスラム圏でしょう。イスラム暦でのこの時期は断食月と重なることが多いため、まったくことなる状況にあるのです。ラマダンと呼ばれる断食月には、日中は食べ物はおろか飲み物も口にすることを禁じられています。もちろんクリスマスや新年を祝うという習慣もありません。一方、この苦しい断食の終わりには、ラマダン明けの盛大な祭りが各所で開かれ、挨拶が交わされるそうです。
いずれにせよ外国に年賀状を送るときは、先方の国情や宗教などへの気配りが欠かせません。下手をしたら、暦の仕組みすら違うわけですから、「新年おめでとう!」がまったく的外れになってしまう可能性もあります。先方の事情をよく知った上で挨拶状をだせればそれがベストですが、それが難しい場合には、宗教や暦にとらわれない感謝の気持ちが伝わるような挨拶状を出しましょう!
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