外資系はひとり立ちが早い? |
日系企業は親切
新卒で日系企業に就職後、海外勤務を経て現在外資系企業で働くHさんは、外資系企業に比べ日系企業はとても親切だと言います。「新卒で入社をした日系企業では、2週間くらいの新入社員研修があって、おじぎの仕方、電話応対、敬語の使い方などびっちり教え込まれました。今いる外資系の企業でも新卒を採用していますが、そういった研修はないようです。現場に配属されても、お目付け役的な先輩がつくわけでもなく、周りも自分の業務とは関係のない新人を育てようなんて意識もないので、変な電話対応をしても注意をしてくれる人もいなく、なんとなくかわいそう。
改めて外資は必要なものは自分で身につけていかないといけない厳しい世界だと感じました。」
反面、日系企業は過保護とも
「海外で働いていた会社でもそうでした。インターンできた学生が能力を認められて卒業後そのまま就職したのですが、いきなりマネージャー的な仕事を任されていました。それで本人もこなしていたのだからすごいです。日系企業はとても親切に教育をしてくれて、責任のある仕事もいきなりは任せない。ある意味過保護なのかな、とも思います。色々心配しすぎずに思い切って任せてしまったほうが、社員の能力を伸ばすことができるのかもしれないですよね。」
ただし、日系企業の新人教育の有用性は外資系企業も認めているようで、大手日系企業と外資系企業両方を経験している人材は外資系企業から評価が高いという話もあります。
社会に出てすぐに、日本におけるビジネスマナーや「仕事とはなんぞや」といった仕事に対する基本的な姿勢を教え込まれている人材は、安心感があるようです。
日系企業は企業のカラーがはっきりしている
大手日系企業から外資系企業に転職をしたMさんは、日系企業は企業のカラーがはっきりしていると言います。大手日系企業が新卒を育てていくのに対し、外資系企業は中途採用が多く様々な文化をもった人が集まることが要因といえそう。
「外資系で働いて驚いたのは、人の出入りが多いこと。1、2ヶ月に一人は辞めたり入社したり。以前の日系企業では考えられない。そのためか、企業独特の雰囲気というかカラーが薄い気がします。部署内にありがちな<暗黙の了解>的な意味不明なルールもなく、人間関係もシンプル。本来の仕事がしやすい。
日系企業はやはり新卒から育てられるせいか、愛社精神や、何かあったときの一致団結感が強いと感じます。」
Mさんが外資系企業で感じた特徴としてもうひとつ。
「外資系にながく勤めている人は、今の仕事が今後の自分のキャリアにどう反映されるかを常に意識しているように思います。」
終身雇用で社員の一生は会社が面倒をみる、といった考え方であった日本の企業に対し、外資系企業はそれぞれの能力をもった社員が労働を提供する代わりに報酬を得るといった契約的な考え方。
働く側も一生この会社でというより、能力を活かしより条件のよい環境も求めて自主的に動くようです。