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人材事業部人材紹介課 マネージャー 佐藤昭司さん
簿記2級は必要
昨年の9月頃から求人数は増え続けています。但し、誰でもいいというわけではなくて、求める経験やスキルに企業ごとのこだわりがあり、ぴったりマッチする人が見つかるまで待つ、という長期スタンスでの採用が増えています。第二新卒を対象としたポテンシャル採用も少しではありますが、増えています。しかし、実務経験をあまり問わないとは言っても、資格と語学力は必要ですね。具体的には簿記2級に加えて英語力のある人。最初に担当する業務は簿記の知識が必要となる場合がほとんどですので、まずは簿記が必要とされます。英語力は企業によって、TOIEC 600程度からOKのところもあれば、交渉ができるレベルの英語力を求めるところもあります。実務経験を積みながら、次のステップとしてCPA取得というのが理想ですね。30歳以降になると、実務経験は必須です。それも最近の傾向では、近い業種での経験が望まれます。外資系の場合は、実務経験に加えてCPA資格があると有利ですね。
今後の求人傾向予測 ニーズが増える分野は?
また、やはり昨年の秋頃から、株式公開の経験者を求める求人が増えています。監査法人で監査の経験がある人や、事業会社で株式公開をしたときに経理に携わっていた経験のある人です。株式公開経験者については、今年は引き続き求人があるのではと思います。会計事務所での求人は横ばいですが、中には若手の未経験者を一から育てよう、というケースはあります。但し未経験であってもCPAと英語力がないと難しいですね。
また、システム監査のニーズ増加に伴い、システム・ITの知識とCPAがある人も求められています。なかなか両方を兼ね備えている人がいないのが現状ですが、内部監査職を含みこの分野は確実に求人が増えると思います。
また、紹介予定派遣も増えています。企業が求めるレベルがあまりに高いため、なかなか該当する人材が見つからず、多少間口を広げ、まずは派遣でお互い様子をみるというパターンです。多少スペックが足りなくても挑戦できるのでチャンスと言えますが、パフォーマンスが不十分とみなされた場合は、契約更新されないなどシビアな面もあります。特に外資系企業はこのあたりシビアですね。
年代別 必要なスキル
一般的に求められるスキル・経験年数を言いますと、30歳前後で経理経験3年以上あって年次決算の経験がある人。決算に携わっていた経験はながいほうがいいですね。加えて日本の会計と英文会計の両方がわかる人。年齢的に企業側はマネジメント候補として考えるケースが多いですね。知識(CPA、税理士などの資格)、経験(業界・ポジション)、英語力(実務で使ったことがあるか)の3つのポイントで企業が求めるレベルを満たしていることが必要です。それに加えるとすれば、企業との相性といった要素ですね。マネジメントポジションになってきますと、これに加えて、マネジメント経験(どんなスタイルで何人くらいマネジメントしていたか)と、企業カルチャーが合うかどうかが選考基準になってきます。米系の企業で外資色が強い場合、同じく外資色の強い米系企業出身者を求めるケースもあります。アメリカ企業のカルチャーやオペレーションがわかっていないと難しいという企業の判断ですね。
プレイングマネージャーのニーズが一番多いので、マネージャーポジションであっても、実務経験・知識は重視されます。
企業に評価される人は職務経歴書でわかる
年齢に関係なく「自分のことを知っている」人は評価が高いですね。「自分を知っている」とは、今まで何をやってきて、何ができて何ができないのか、そして目標にたどり着くには何が必要なのか、がわかっている人です。そういう人の経歴書を見ると、1本筋が通っているといいますか、「ここでこれだけの経験をして、このタイミングで資格をとって、ここを目指しているんだな」というのがひとめでわかります。そういう人は、例えば企業の求める職務経験が1年足りなかったとしても評価されますね。20代のうちは、何をしたいのか明確でなく「とりあえずやってみる」でもいいと思います。
(始めたら3年間が理想ですが、最低でも1年間は継続してください。)
しかし30代になってからのキャリアチェンジは難しいのが現状です。特に会計分野は年数とともに技術を積み重ねていく、ある意味技術職的なところもありますので、早いタイミングで経験を積むなり資格をとる準備を始めたほうがいいですね。
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