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賃金データから考える転職(3) 役職次第で最大450万円の差が(2ページ目)

一般に、役職に就けばそれに応じた手当が支給されます。しかし、この役付手当の相場から見る以上に、役付きの人とそうでない人との賃金格差は大きいものがあります。

執筆者:西村 吉郎

ちなみに、厚生労働省の「賃金事情総合調査(平成14年版)」によると、各職階ごとの役職手当の額(一律額を支給する会社の支給額平均)は次のようになっています。

職階別役職手当の額     単位:千円

職 階 名支給額
 部  長 75.9
 次  長 67.8
 課  長 57.5
 課長代理  課長補佐 34.6


この金額を12倍しても、上記の支給額の差とはイコールになりません。これは、それぞれの役職に昇進するにあたり、基本給もアップするからです。また、男子労働者の場合、部長職の年間賞与その他特別給与額が249万8500円となっているのに対し、非職階では124万2500円と、ボーナス支給額に大きな差が生じていることも関係しています。職階があがれば、その分多くのボーナスが期待できるということです。


管理職に転職したら年収アップになる?

最近はポスト不足もあって、出世もままならない状況にあります。一方で、実績評価による賃金制度などの導入により、役職に関係なく高収入が得られる方向へと改革されつつありますが、もし、35~39歳の年齢層で非職階の男子労働者が、上がつかえているために役職に就けない状況にあると想定して、転職して何らかの役職に就いたとき、どれくらいの収入アップになるのかを考えてみました。

転職したその年にはボーナスは期待できませんが、転職して1~2年目ともなれば課長職で年収711万6800円、係長職で同559万2700円が平均値です。これを勤続10~14年の非職階の人と比較すると、課長職で約162万、係長職で約10万円の収入増となりました。転職して係長程度では、それほどの収入アップは期待できませんが、課長職として転職できれば、相当の収入増が期待できるとみていいでしょう。

ただし、これはあくまでも平均的なデータを見た数字です。会社によって賃金体系は異なりますので、転職して課長の肩書きはもらえたものの、収入は逆に得られなくなってしまったということもあります。会社によっては、課長職あたりから、今回のデータからは除外している時間外勤務手当が支給されなくなるところもあります。

管理職あるいは管理職候補として転職する場合は、役職名に惑わされることなく、実際の賃金、賞与支給額をしっかりと確認の上、転職先選びをする必要があることに留意してください。
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