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有給休暇と年休に関するQ&A(4ページ目)

年次有給休暇に関連してのQ&A、続編です。基礎知識編、Q&A(vol.2)に続けてお読みください。

執筆者:西村 吉郎

年休の買い上げに関する問題

Q 残った有給休暇はお金に変えられる?       

勤続5年目の会社を近々辞めます。去年からの繰り越し分も含めて、15日の有給休暇が残っていますが、退職日までには消化できそうにありません。会社に買取りを請求できるのでしょうか。
                
A 原則としては違法だが退職時なら可

年休の買上げは労働基準法で禁止されています。これを認めると、「休暇を放棄したら、代わりにその分の賃金を支払う」といって、年休を取らせないようにする会社も出てくるからです。

ただし、買上げが禁止されているのは、労基法で定められている年休の日数分だけ。この定めを超えて、会社がとくに認めている年休については買上げしてもかまいません。また、有給休暇の請求権は2年で時効になることから、2年以上前の、期限の切れた分については、買い上げてもいいとされています。退職のために消滅してしまう年休についても同様です。

しかしながら、以上は、一定の条件にしたがって買上げが認められる、あるいは買上げが許されるということであって、会社側には年休を買い上げる義務はありません。どう対処するかは会社の自由です。退職を控えている人に対してもこれは同じですから、まずは、あなたの会社にその制度があるかどうかを確認するのが先でしょう。就業規則を読み直してみてください。制度があれば、当然、その規則に従って買取りの請求はできますが、制度がない場合、残念ですが諦めるほかありません。


Q 退職時に残った年休を買い取ってもらったが

会社を退職するにあたり、残っていた年次有給休暇15日分を買い取ってもらいました。ところが、買い取り価格は法定の最低賃金相当額ということで、1日当たり6000円ほどでした。実際に支給されていた賃金の平均額とするのが妥当だと思うのですが。

A 法的基準がないので会社の決まりに従う以外にない

会社が年次有休休暇の未消化分を買い取ることは原則として禁止されています。年次有給休暇は、労働者の肉体的、精神的休養のために法律で設定されているものであり、たとえ労使双方の合意があっても、これを会社が買い取ることは結果的に年休を消化しないよう誘導することにつながるからです。

ただし、会社によっては、労働基準法により定められている法定の年次有給休暇に独自の有給休暇を上乗せして付与していることがありますが、この法定外の有給休暇については買い上げしてもかまいません。また、2年の時効によって消滅してしまう分や、退職によって消滅してしまう未消化分についても、同様に買い取りが認められています。

このような、有休の買い取りは、すべての会社が義務として負うものではなく、労働協約や就業規則などで個々に対応しているものです。したがって、会社に買い取りの規定そのものがない場合には、買い取ってもらうことはできません。

また、買い取り価格については基本的には年次有給休暇の手当と同額であるべきですが、これについても法的な基準はありません。したがって、会社の規則などに定められている買い取り価格が平均賃金に対して著しく低い場合でも、それに従うほかないことになります。


計画的年休に関する問題

Q 年休が指定され自由に休めない

12日の年休を持っていますが、そのうち4日は会社の指定で連休中に消化させられました。幼い子供を抱えているので年休が減るのは困りもの。何とかならないものでしょうか。
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