住宅購入の費用・税金/確定申告・住宅ローン減税

意外と勘違いしやすい住宅ローン減税の盲点

私、ガイドのところにも「住宅ローン減税」に関する多くの質問・相談が寄せられています。改めて関心の高さを実感しています。そこで、今回はこうした質問を整理し、コラムにまとめてみました。

平賀 功一

執筆者:平賀 功一

賢いマンション暮らしガイド


住宅ローン減税は「5年間」さかのぼって還付請求できるの、ご存じでした?
「住宅ローン減税」―― 改めて関心の高さを実感しています。というのも、私、ガイドのところには多くの質問・相談が寄せられているからで、基礎的なものから即答できない複雑なものまで、その内容は多種多様です。

2009年および2010年に入居する人は最大控除額が500万円(一般住宅の場合)、1999年~2001年6月の同587万5000円に次ぐ「歴代2位」の還付額が期待できるわけです。となれば、少しでも税金を取り戻そうと考えるのは必然のことでしょう。よく分からないことは質問して、問題を解決しておきたいのは当然です。そこで、今回はいただいた質問を整理し、コラムにまとめてみました。読者の皆さまのお役に立てることを期待します。

確定申告の時期は、「実際の入居日」が基準となる



新築住宅を建てるために2009年12月15日に土地を購入し、2500万円のローンを組みました。現在、新築住宅は工事中で、2010年8月に完成する予定です。そこで、住宅ローン控除の申請をしたいのですが、その時期は今年(2010年)になるのでしょうか、それとも来年(2011年)でしょうか? お忙しいところお手数ですが、よろしくお願い致します。

基本的な考え方として、住宅ローン減税は自宅に「実際に入居した日」を基準日として制度設計されています。「売買契約日」でも「確認申請の承認日」でもありません。また、しばしば誤解されがちですが、「マイホームの引き渡し日」でもありません。本件は竣工が2010年8月頃とのこと。よって、建物が完成すれば当然、すぐに引っ越されるでしょうから、「2010年中の入居」という扱いになり、2010年分の所得税の確定申告(申告時期:2011年2月~)の対象となります。




妻の年収420万円で、自分(夫)が子育てをしながら年収120万円で妻の扶養になっています。新築住宅を建てるため、妻を主たる名義人として2200万円の住宅ローンを申し込みました。自分(夫)は連帯債務者となり、共有割合は5:5の半々にする予定です。その際、住宅ローン控除を妻と自分(夫)両方で受けたいのですが、それは可能でしょうか?

もちろん可能です。住宅ローン減税に「性別要件」はありません。奥様が主たる債務者であることに問題はありません。収入合算してローンを組んだ場合、夫婦の一方が「主たる債務者」となり、その配偶者が「連帯債務者」となれば、税制上、夫婦そろって減税を受けられます。奥様の年収が多く、ご主人が少ないからといって、適用条件から外れることはありません。

なお、同じ収入合算でも「連帯保証」の関係では夫婦そろって減税を受けられなくなります(主たる債務者のみ)。「連帯債務」と「連帯保証」を混同しないよう、ご注意ください。

・連帯債務:各債務者が同一の権利義務のもと取り扱われる債務関係
・連帯保証:保証人が主たる債務者と連帯して債務を負担すること

【関連コラム】「住宅ローン減税」基礎の基礎その2

また、、アドバイスとして共有割合はお互いの年収に応じた案分にすることをお勧めします。贈与税の心配が出てくるからです。




始めまして。私は西暦2000年に家を新築した者です。現在、住宅ローンは返済中なのですが、今回の住宅ローン減税の対象になるのかどうか教えて頂けないでしょうか?

2000年に新居を取得したけれど、いまだ住宅ローン減税の還付申告をしておらず、これから申告すれば還付してもらえるかどうか教えてほしい、というご質問と解釈します。

お気持ちはよく分かりますが、残念ながらもう間に合いません。制度として、5年間はさかのぼって還付請求できるのですが、それを過ぎてしまうと手遅れです。あきらめていただくしかありません。


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