王制廃止宣言、国王は自ら王宮退去するか?

ネパール
 
5月28日、ネパール憲法制定議会は、ネパールを連邦共和制にするという宣言を圧倒的多数で可決しました。これにより、ネパールの王制は幕を閉じることになります。

2001年に起こった謎多い「国王殺害事件(当時の国王一家が皇太子に射殺され、皇太子も自殺した事件)」の後に即位したギャネンドラ国王は、これからは「一市民」になる、ということです。

王制廃止反対の動きも多少はありますが、国民の大多数はギャネンドラ国王への不信感から王制廃止に賛成。今後、議会の要求に応じてギャネンドラ国王が自ら王宮を去るか、強制的退去となって流血の事態になるのか、という点に関心が集まっています。

大統領制か議院内閣制か

ただ、憲法制定議会はまだ新憲法を作り終えていません。そもそも大統領権限の強い大統領制にするか、大統領は名目上の存在で首相を首脳とする議院内閣制にするか、議論はわかれています。

マオイストたちは大統領制を主張、国民からの支持を背景に大統領をマオイストから輩出しようとしています。一方、今までネパール政党政治の中心だった国民会議派は、議院内閣制を主張しています。

マオイストからすれば、ここで一気にネパール政治の全権を握ってしまいたいところなのでしょう。一方、国民会議派はそれを警戒し、議院内閣制によってマオイストと国民会議派などの連立政権により、一定の発言力を残しておきたいと考えているようです。

王制廃止という歴史的転換点を迎えたネパールですが、新憲法ができるまで、まだ紆余曲折があるでしょう。マオイストは独自の軍事力を持っているため、予断を許さない状況が続きそうです。

■関連サイト ネパール政治の基礎知識2006
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