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2007年の政治情勢をふりかえる(2ページ目)

2007年の国内外の政治情勢を振り返ってみました。突然の辞任劇、年金問題、いろんなことがありましたが、ガイド的はこんなことにも興味を持っています。ごらんください。

執筆者:辻 雅之

「世界の顔」に選出された「皇帝プーチン」

海外では、ロシア情勢に注目しました。原油価格高騰の恩恵を受けた数少ない国が、原油産出で勢いのあるロシア。ロシアの原油輸出量は今やサウジアラビアとほとんど変わりません。

この経済成長が追い風になって、プーチン大統領の勢いはますます加速し、大統領の与党は下院選で圧勝、憲法上出馬ができない来年の大統領選に側近を送り込み、自分は首相になって実権を握る構え。この権勢の大きさに、最近では「皇帝」ともいわれるプーチン大統領。

そんなプーチンが、勢いのあるロシアの象徴としてあの雑誌『タイム』の「今年の人」に選ばれてしまいました。

今後、ロシアを経済成長によって大国に復活させロシア国民の救世主になるのか、それとも「旧ソ連」のような独裁国家を作り上げてしまうのか……来年も要注目の人物です。

●関連サイト ロシア政治の基礎知識2007

環境問題とアメリカ

今年は、いつもに増して「地球環境」が政治的な意味でクローズアップされた年でした。ゴア前アメリカ副大統領が制作した映画『不都合な真実』がヒットしたことと、そのゴア氏のノーベル平和賞受賞がそのようなことを物語っているように思えます。

そんななか、京都議定書から離脱するなどして地球環境問題に「後ろ向き」といわれていたブッシュ大統領も、今年になって「CO2主要排出国会議」を開催するなど、前向きな動きを見せ始めました。

もちろん、アメリカの環境・地球温暖化に対する世論の高まり、そして次期大統領選での共和党の劣勢ぶりが、ブッシュ大統領を後押ししていることはいうまでもありません。

アメリカが京都議定書に復帰するのは「民主党の新しい大統領が就任する2009年以降」というのが常識的な見方ですが、場合によっては選挙対策として、来年中の復帰もあるかもしれません。

●関連サイト IPCC

2007年、ほかにもいろいろ……記事で振り返ります。

フランス政治の基礎知識2007 サルコジ新大統領が誕生しました。

東京都知事はなぜ注目を浴びるのか 前回よりもはるかに注目を集めた東京都知事選でしたね。

イラン政治の基礎知識2007 今年はイラン問題も注目を集めました。

成立した国民投票法、重要条文をチェック! 憲法改正が現実的になったといわれました。

事務次官と日本の官僚制基礎知識2007 事務次官、たしかに話題になりました。悪い意味で……。

「政治とカネ」制度と問題をじっくり説明! そうです、この問題もわすれてはいけませんね。
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