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【なくならないのか「官製談合」この際考えてみましょう】
「指名競争入札」が談合の温床?
指名競争入札は、みかけ上公正な入札が行われるように見えても、実際には指名された業者と官僚との「談合」が行われやすい制度ではないかと指摘されている。 |
これが、談合の温床になっているという指摘があります。
つまり、対象は数社。しかも、担当の官僚と顔見知りになっている場合が多い。その官僚たちに、たとえば今回の事件のように「天下り先を確保してくれたらこれこれの工事を発注させる」などともちかけられる。
企業は、官僚たちとの癒着を深め、指名から外されないようにとそれに応じる。このような話を、他の数社とも話をして、この会社はこの部分の工事、この会社はこの部分の工事……と決めていく。
もちろん、これはウラでの話です。
表向きは、さもなにもなかったかのように、ウラで受注が決まった企業が、そのプロジェクトを、他の企業よりちょっとだけ安い価格で入札し、受注する。もちろん、他の企業も、それを知っている。
……これが、官製談合の典型的な姿です。
官製談合参加のために「赤字」覚悟で事業に参加する企業?
さらに、笑えない話も出てきます。『お役人さま!』(講談社)では、こんな話が……つまり、指名をもらえないようなことがないように、赤字になる工事も年に数回は請け負わなくてはならないこともあるというのです。こういうもとでは、もはや官製談合をなくしていくと、かえって税金負担が増してしまう……なんともはや、という感じです。
談合に対する罪は軽い
談合はどうもばれにくいし、ばれてもまあ……という印象があるようです。まず、政府調達について定めた会計法には、罰則規定がありません。
罰則規定は刑法にあるのですが(競売妨害罪)、「2年以下の罪または250万以下の罰金」と、かなり軽いです。普通は執行猶予がついてしまいます。
公正取引委員会が関連企業に課徴金を課すことがありますが、これも利益の3から6%。指名停止期間も1年以内。
このようなことから、官僚にも関連企業にも「罪の意識」が乏しく、むしろ談合から抜けようとする企業が「悪い」と、官僚・企業がスクラムを組んでいじめにかかることもあるようです。
★All About関連記事 2005年政府機関モニター募集情報(このような制度で一言もの申すことも……)
現在の天下り規制も効果が少ない
このような官製談合を絶つためには、やはり天下りをなくすことが一番効果的なことはいうまでもありません。金銭とかだと立派な収賄になって、だれも危険でやりませんからね。天下りならば、民間にわりに簡単に要求できるからです。
もちろん、国家公務員法で離職後2年以内は、職務と密接な関連があった企業への就職はできないようになっています。
しかし、2年というのは短すぎる。2年を経て、はいどうぞ、という約束は成り立つ。そして、その「2年」のために、省庁所轄の「公益法人(これは国家公務員法で禁止している「企業」ではない)」があり(防衛施設庁なら防衛施設技術協会など)、そこに2年いてから、民間企業に「天下り」するのです。
また、仮にこれを破って天下りしたとしても、罰則は「懲役1年以下または3万円以下の罰金」となっています。あまりに軽い罪です。
天下り規制の根本的な見直しは、いうまでもないでしょう。もっとも、技術審議官まで勤めたエリート官僚が、このようなまねをして再就職先をみつけるというのも困ったものですが……。
総合評価型入札の導入は?
価格のみを入札の対象にするのではなく、利便性などをポイント化して入札するようにすれば、談合がしにくくなるという意見もある。 |
つまり、価格のみで入札を行うので、談合が起こりやすいし、発覚もしにくい。少々高くてもおいしいものなら消費者が購入するように、メリットなどをポイント化して、総合評価して調達を決めればいいのではないか、というものです。
実際に、似たようなことは、行われています。
2000年、いわゆるグリーン購入法(正式名称:国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」)が施行されました。これによって、国や地方公共団体は、環境に配慮した調達を行う責務が課せられました。
そして、国などは、調達の基本方針を明確に定め、それに従った調達をしなければならないようになっています。
総合評価型入札にもいろいろ問題点はあるでしょうが、いろいろやり方を考えた上で、広く他の調達にも採用していってもいいのかもしれません。
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