1ページ目 【なぜ「小選挙区比例代表並立制」なのか】
2ページ目 【小選挙区の結果が比例代表に影響するしくみ】
3ページ目 【選挙運動の決まり、違反行為を知っておこう】

【小選挙区の結果が比例代表に影響するしくみ】

「全国11ブロック」ごとの比例代表制

衆議院総選挙では、比例代表は参議院と違い、全国11ブロックごとに集計され、ブロックごとに議席を確定します。

つまり、北海道(定数8)、東北(定数14)、北関東(埼玉含む、定数20)、東京都(定数17)、南関東(山梨・神奈川・千葉、定数22)、北陸信越(定数11)、東海(定数21)、近畿(定数29)、中国(定数11)、四国(定数6)、九州(定数21)です。

政党は、ブロックごとに候補者名簿を提出し、そこには順位をつけなければなりません。そして、たとえばその政党が3議席獲得、となったら上位3人が当選することになります。

このように、名簿の順位に当選者が拘束される仕組みを「拘束名簿式」といいます。一方、参議院はそうではないので、「非拘束名簿式」とよびます。

「ドント方式」による決定方式

さて、「比例」とはいえ、得票数をそのまま純粋に比例させることは不可能です。たとえば北海道の場合、定数8に対して、たとえばある政党は得票率23.65432222222……こういうのが普通でしょうから。

まさか、議席を半分づつ割るわけにも行かず、そこで出てくるのが「ドント方式」です。

つまり、まず政党の獲得票を1で割る。続いて2で割る。3で割る。……このように整数で割っていって、その割った値のうち上から大きなものを持っている政党が、その値の分だけ、議席を獲得する、というしくみです。

ちょっとわかりにくいですね。このページの一番下に、絵で説明してみました。ご覧下さい。

この仕組みは、参議院通常選挙でも利用されています。

ただし、この仕組みは大政党に有利、といわれていて、実際シミュレーションしてみるとわかります。なので、批判もあります。

スウェーデンは、かなり複雑で、まず3から奇数だけで割り始めます。しかし、その前に1.4で割った値があって、議席が決まらない政党は、この値から割られていくことはありません。

えらい複雑ですが、これは少数政党に配慮した形になっています。

「重複立候補」と「比例同一順位」

さて、日本の衆議院総選挙に戻ります。衆議院総選挙では、「重複立候補」ができます。これは、「小選挙区で立候補した人も比例代表名簿に載ることができる」というものです。

つまり、小選挙区で落選しても、場合によっては比例代表で復活当選、ということがあるのですね(もっとも、有効投票の10%しか得票できなかった人は、比例代表の名簿から自動的に外され、当選できなくなります)。

そして、小選挙区にも立候補している人が名簿に載る場合、政党は彼らを同一順位にしてもいいのです。2位5名、それでもいいのです。順位をつけづらいのであれば。

では、2位3名までしか当選しない場合(1位とあわせて計4名)、どうやって当選人が決まるのでしょう。ここで、「小選挙区の結果がシンクロ」するのです。

「惜敗率」

さて、さっきの例の場合。1位は当然に当選。2位5名中、3名までしか当選しない。ここでは、5名全員、小選挙区では落選、と仮定します。どうやって当選人を決めるのでしょう。

それは、彼らの小選挙区でのがんばりにかかっています。

つまり、「惜しい! あなたはよくがんばった!」という人から当選していくことになっているのです。

それは数値としては、小選挙区での当選者の票に対して、どれだけの比率の得票をしたか、というものであらわされます。これが「惜敗率」です。

なので、当選者に95%まで迫っていた人が、92%まで迫っていた人より優先して、当選することになるのですね。

なので、比例代表の結果がわかるのは、深夜遅く。午前2時とかになることもめずらしくありません。入りたての地方公務員たちが(若いので体力あると言うことで)、へとへとになりながら作業することになります。

次のページでは、選挙運動の決まり、選挙違反について、お話していきたいと思います。

◎ドント方式によるシミュレーション(定数10議席の場合)