MBOの延長線上に上場廃止
株主の数が少ない企業はお断り! |
たとえば、東証上場銘柄の場合、大株主上位10名および役員が持つ株式の総数とその企業が持つ自己株式の合計が90%を超えると、猶予期間なしで上場廃止基準に抵触します。75%を超える場合は、猶予期間1年の間に75%以下とならなければ上場廃止基準に抵触します。
MBOは必ずしも経営陣だけの資金でその企業を買い取るわけではありません。投資ファンドに資金を出してもらい、協力を仰ぎます。資金提供だけではなく、この投資ファンドから経営のアドバイスも受けます。その内容は、時にはドラスティックなケースもしばしばです。もし、広く不特定多数の株主に対し、常に事業計画に理解を求めて改革を進めるとなると、賛成を得られる場合ばかりではありません。思い切った経営が出来ないかもしれません。
このような背景があるため、最近のMBOは延長線上に上場廃止があるケースがほとんどです。経営陣が(時には投資ファンドの力を借りて)出資をして経営権を握り、スムーズな企業経営を行いたい場合、非上場の方がやりやすいのです。
また、上場企業の場合は投資家が公平に株式の売買ができるよう、情報を常に公開していなければなりません。非上場企業なら、情報公開をする株主は限られています。内部事情を公開しなければならない点でも、上場していることがデメリットになる場合もあるのです。
最大の買収防衛は上場しないこと?
また、最近の敵対的買収ブームで、いくつかの買収防衛策が話題になっていますが、そもそも上場していなければ敵対する第三者に買収はされません。株主は友好的な人や企業に限られます。企業が大きくなる過程で、資金調達のために上場という方法があるのは事実ですが、広くたくさんの投資家から資金を募るがために、その裏面では不都合が生じることもあるのです。【関連サイト】
・「MBOってなに?」
・「TOBの影にちらつく、三角合併とは?」
・「社会人の常識!?いまさら聞けない経済用語(13) フジの対抗策、TOBとは?」
【関連リンク】
・「勝ち組や注目企業の戦略・株価・ポリシー」
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