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疑似体験から実地へ~金銭教育が今ブーム!(3ページ目)

子どもたちに対する金銭教育の重要性が叫ばれ、さまざまなイベントが組まれるようになってきました。疑似体験から実地の体験へと金銭教育のやり方がだんだんと本格化しています。

執筆者:石原 敬子

小学生が貯金通帳を作りに行く!

貯金
給料を貯金する子供たち
夏休み真っ盛りの屋台の次の授業の日は、屋台の収支決算。売りっぱなしではありません。売上の現金を数え、仕入れなどにかかった経費を引き、各チームの利益を算出します。さらに、メンバー一人あたりの利益も計算し、それが子供たちの給料になるという仕組みです!小学生が、たとえ数千円でも、実際に働いて給料をもらえるとなったら、それはそれは大きな喜びでしょう。

ところが、給料を受け取って終わりではないところが、この「おかねの楽校」の良いところ。

給料の一部分から、最低1,000円は貯金しましょうというのです。しかも、わざわざ郵便局に口座を作り、預けます。お年玉などを貯めるための口座を持っている子供も多いことと思いますが、ここでは、あえて自分たちの筆跡で郵便貯金口座の用紙に記入するところから体験します。そして少人数に分かれ、給料袋を持って郵便局に行きます。

郵便局によっては、「親が同伴していないと口座を作れません」と断られたところもありましたが、理解のある局長さんの郵便局では、「子供のうちからお金の管理をすることはとても良いことですね」と歓迎してくれるところも。こんなところから、お金の大切さを学んでいくのではないでしょうか。

この時、ある郵便局では昨年「おかねの楽校」を卒業したある子供が、昨年作った通帳から林間学校のお小遣いを下ろしに来たところへ偶然一緒になりました。小学生といえば、まだ保護者が通帳の管理をし、林間学校のお小遣いは親が与える、という家庭が一般的でしょう。しかし、「おかねの楽校」の子供たちは、1年のカリキュラムを終えて卒業しても、学んだことを忘れずにお金を大切に過ごしているのだなと感じさせられた一件でした。

盆踊りの屋台での商売と貯金を経験した「おかねの楽校」の子供たちは、その後、株式や預貯金の仕組みの授業でお金を殖やすことを学び、将来の夢やなりたい仕事を考え、ライフプランを考えていくというカリキュラムになっています。

さて、翻って大人たち。相変わらずお金のトラブルや事件のニュースが後を絶ちません。また、日本の金融界は、世界から見るとまだまだ幼稚、新興国並みの制度だと言われている部分も否定できません。これらの取り組みを体験して、今の子供たちが大人になったとき、日本の経済・金融界はグローバルな基準で胸を張って海外勢と対等に扱ってもらえるようになることを期待します。

【関連サイト】

夏休みの自由研究テーマにぴったり! 子供と学ぶ「たのしい経済」

「お年玉で金銭教育」(All About 「家計管理」ガイドサイト)

「おかねの楽校(がっこう)」

「キッザニア東京」

【関連リンク】

「子供の小遣いなど親子で「お金」を考えよう」(All About 「子育てにかかるお金」ガイドサイト)
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