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疑似体験から実地へ~金銭教育が今ブーム!

子どもたちに対する金銭教育の重要性が叫ばれ、さまざまなイベントが組まれるようになってきました。疑似体験から実地の体験へと金銭教育のやり方がだんだんと本格化しています。

執筆者:石原 敬子

文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
毎年、夏休みが近づくと、子供たちに大人の社会を体験させるイベントが紹介されます。特に、従来の学校教育で欠けていた分野を補おうと、官民そろって手がけるようになった代表例が、「金銭教育」。今回は、子供たちに生きた経済社会を体験させている取り組みについてご紹介します。

<INDEX>
金銭教育って何?何を学んでいるの?(1P目)
小学生が商売?これが本当の金銭教育(2P目)
小学生が貯金通帳を作りに行く!(3P目)

金銭教育って何?何を学んでいるの?

金銭教育
学校ではお金の稼ぎ方、使い方を教えてくれない・・・そこで金銭教育が注目されている
村上ファンドの元代表村上世彰氏が、小学生の頃から株式投資をしていた話はよく伝え聞くところ。実際の株式市場で鍛えられた経済感覚が、人並みはずれた発想と才能を磨き上げたのでしょう。

金銭教育に熱心な保護者の意見を街で拾うと、「自分が何も知らないまま社会に出て苦労したから」子供には早いうちから金銭教育を受けさせたいという声が圧倒的。では、子供たちに対する金銭教育は、どんな取り組みがなされているのでしょうか。

一口に金銭教育といってもいろいろな方法で取り組まれています。

ファイナンシャル・プランナーなどの団体の中で行われているのが、お小遣いの使い方を学ばせようとするシミュレーションゲーム。人生ゲームのようなすごろくを使い、お金にまつわるいろいろな出来事を経験していきます。その中では、奉仕をしてお金を得ることもあり、学校生活に必要な物を購入することもあり、財布を落としてお金を失うことも経験していきます。お金を単に貯めるだけではなく、自分の夢のためにお金を貯めて行くということも学ばせる意図も隠されています。

昨年や今年から民間企業の数社が手がけだしているのが、就業体験。子供たちになじみの深いファーストフードやテーマパークなどの取り組みで、実際にその企業の社員同様に働きます。労働をするということは、単に仕事をするということだけではなく、経済活動のひとつであることも学び、チームワークで困難を乗り越える体験もできることと思います。

マスコミや非営利団体、例えば日銀の金融広報中央委員会の手がける金銭教育は年を重ねていますが、実際はこづかい帳の配布や教員向けの教材の提供、小論文や作文の募集やセミナーが中心で、子供たちが体験できるものといえば、昨年話題になった「日銀の金庫見学」というようなところでしょうか。

東京証券取引所や一部の証券会社では、子供たち向けに株式投資の仮装売買を行ない、株式市場と触れ合うきっかけ作りを行っています。また、2006年10月には、東京・豊洲に「キッザニア東京」という就業体験のできるテーマパークがオープンします。でも、結局はこれらは擬似体験。実際に子供たちがナマの経済、社会に触れる機会はないのでしょうか?

ありました、こんな取り組み。実地の金銭教育の紹介は次のページへ。
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