米余りで政府が買い占める日本
日本人の主食は米だが、近年は消費量が減少し続けている。 |
需要が低下し価格が下落すると、必要以上の米を生産する必要がなくなります。そこで長年進められてきたのが、政府による減反政策です。しかしながらそれでも需要の低下に追いつかず、2007年度は06年度に比べて10%以上も米の生産者価格が下落しました。
米価格が下落して、苦しくなっていくのは米農家です。また地方の農家や農協は、与党・自民党の大票田にもなっている構造があります。そこで政府・与党は積もる農家の不満に対応するために、2007年10月に1000億円を使って「米緊急対策」を発動、2007年の国内米収穫量の10%に該当する、34万トンを買い占めたのでした。
2008年になって日本の食糧危機がさらに深化し、小麦などが高くなると、日本人もだんだんと米を見直すようになってきています。そこで米の消費量が回復し、2008年3月にはこれまでマイナスだった前年比の米消費量がプラスに転じています。
なぜ日本の米が輸出されないのか?
コメ不足に苦しんでいるアジア諸国と、米余りで困っている日本。この構図だけ見ると、日本が米をアジア諸国に輸出すれば両者の問題が解決できるような気がします。しかし、実際にはそれを難しくする事情がいろいろ存在しています。次回の記事「日本米がアジアに輸出されない理由」では、それらの事情をお話します。参考サイト
IZA(2008/4/5)JanJanNews(2008/4/21)
ダイヤモンドオンライン(2008/5/29)
共同通信(2008/5/19)
朝日新聞(2008/5/19)
東京新聞(2008/6/2)
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