森林が破壊され……そして何が起こる?
このまま森林が破壊され続けたら、地球は一体どうなってしまうのでしょうか? その影響は多々ありますが、まずは生態系が破壊されてしまうのが最大の影響です。「森林破壊がこのまま進めば、2100年までに、東南アジアの動植物のうち13-42%の種が絶滅する」(オーストラリアにあるノーザンテリトリー大のバリー・ブルック上級研究員ら)という警告も出ています。また森林が消失すると、地球温暖化がさらに進行することになります。ご存知のように、植物は二酸化炭素を吸収して酸素を作り出すので、地球上にある二酸化炭素の量を抑制する役割を担っています。その植物が減ってくると、温室効果ガスによる地球温暖化がさらに進むことになります。そして温暖化が進むめば、それがさらに森林破壊につながり……と負のサイクルが進行していきます。
さらに、森林の木々は周辺の土を引き留める役割を持っています。木があるために、雨が降っても土砂崩れが起こりにくくなっているのですが、森林がなくなると土砂崩れ・地すべりなどが起こりやすく、危険な状態になります。
バイオエタノールでさらに森林破壊が進むのか?
南米のアマゾン川流域、この地域の熱帯雨林は将来も残されるのか? |
現在のところ、アマゾン大森林を持つブラジルは、世界一のバイオエタノール先進国になっています。ブラジルでは、バイオエタノールの生産量は世界一、バイオエタノール対応車の普及率も世界一です。日本で販売されている『バイオガソリン』は、バイオエタノールを3%程度混ぜただけの燃料ですが、ブラジルでは20%もの濃度の燃料が販売されています。また近い将来、100%バイオエタノール燃料も実用化される予定です。
しかしバイオエタノール生産を拡大するためには、原料となるサトウキビの生産も拡大しないといけません。そのために、森林をどんどん伐採してサトウキビ畑にしてしまうのではないか? と懸念されています。現在のところ、ブラジル政府は「バイオエタノールによって森林破壊が進むことはない」と述べていますが、本当に大丈夫なのかどうかは分かりません。
バイオエタノールの生産が進めば、世界の食糧事情が危なくなることは、こちらでお話しました。しかし、それだけではなく森林まで消滅の危機に追い込んでしまう可能性もあるのです。今はバイオエタノールブームで、世界中がバイオバイオと盛り上がっています。しかし、その一方で森林のこともケアしていかなくてはいけないのです。
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