オレたち世代がハマる「自殺の罠」の仕掛人は……やっぱり「カクサ」?
電車の人身事故が絶えない首都圏のラッシュ・アワー。ヤッパリ、20~30代が増えている? 写真提供:使える写真ギャラリーSothei |
■20代(976人)…… 第1位「健康問題」(32.0%)、次いで「経済・生活問題」(18.1%)
■30代(1,409人)…… 第1位「健康問題」(32.1%)、次いで「経済・生活問題」(29.2%)
※ 遺書を残している場合。警察庁「平成17年中における自殺の概要資料」より。
20代は、第2位「経済・生活問題」が1位の「健康問題」の2分の1強ですが、30代の場合、2位の「経済・生活問題」がぐっと増え、1位の「健康問題」に迫る勢い! つまり、30代になると、「経済・生活問題」がより深刻になる=「勝ち組」「負け組」といったカクサの広がりが自殺動機に結びつきやすい、ということか……。
若いカレたち、「ブルーマンデー」の早朝は要注意!
ところで、「自殺の罠」に陥りやすい時期ってあるの? また、男女の違いはどう? 厚生労働省公表の「自殺死亡統計の概況」によると、男性の自殺は、春先の3月から5月に集中していますが、女性は、年間を通じて月ごとの差は、アマリ大きくありません(2003年)。男性の方が「5月病」にかかりやすい?厚生労働省「自殺死亡統計の概況」より作成 ※ データはすべて2003年。 |
■曜日…… 男性は「ブルーマンデー」が多い! 一方、女性は、曜日ごとの差はあまりない。
■時間帯…… 男性は早朝、女性は昼前が一番危ない!
■手段…… 男女とも、首つりが一番多い!
自殺防止の切り札は……「敗者復活!」にヤサシ~イ社会
そうか、若い世代が「自殺の罠」に誘惑されやすい曜日や時間帯は、性別によって違いがあるのか……周囲の家族は、要チェック!それにしても、これだけ自殺が増えている以上、ヤッパリ国が本腰を入れて自殺防止に取り組まないとネ。国は一体、どんな対策をとっているの?
■2005年9月…… 厚生労働省など関係省庁による連絡会議を設置。
■2005年12月…… 連絡会議が自殺予防の総合対策「自殺予防に向けての政府の総合的な対策について」をとりまとめ。
■2006年5月…… 政府の「再チャレンジ推進会議」が「自殺予防総合対策センター(仮称)」の設置をもりこんだ「再チャレンジ可能な仕組みの構築(中間とりまとめ)」を公表。
そして、6月15日、第164回国会で、国や自治体、事業主、国民それぞれの自殺対策に対する責務を定め、自殺未遂者などに対する支援を盛り込んだ「自殺対策基本法」が成立(超党派の議員立法)。同法の立法化に東奔西走したNPO法人「ライフリンク」が全国から集めた「自殺対策の法制化を求める3万人署名」数は、ナント9万人超に!
カクサ社会の中で、一度「負け組」の烙印を押されると、立ち上がるのがムズカシ~イ今の世の中。たとえ「負け組」に色分けされても、「再チャレンジ可能な仕組み」さえあれば、逆襲して「勝ち組」の座がゲットできる! そんな「『負け組』の逆襲」がかなう「敗者復活!」の仕組みづくりが、カクサ社会の最大の課題と言えそうですネ。
【関連サイト】
●All Aboutのサイト
・なぜ日本は「自殺大国」なのか?(All About「心の病気 」)
・「自殺心」に気づく8つのサイン(All About「ストレス」)
・うつな人に、言ってはいけないこの言葉(All About「心の病気」)
・「ブルーマンデー」を乗り切るポイント4!(All About「ストレス」)
・うつで困らないために知っておきたいこと(All About「心の病気」)
・アルコール依存症Q&A (All About「心の病気」)
・自殺5年連続3万人台はなぜ?(All About「ストレス」)
・どう守る? 私たちの心と体の健康(All About「よくわかる時事問題」)
●その他のサイト
・Yahoo!ニュース―自殺問題
・警察庁、平成17年中における自殺の概要資料
・日本いのちの電話連盟
・厚生労働省、自殺死亡統計の概況
・自殺対策支援センター、ライフリンク