7月12日にイスラエルがレバノン南部に拠点を持つヒズボラに対して戦端を開いて以来、もう1ヶ月近くも中東では戦闘が続いています。その間に少なく見ても数百名以上の市民が巻き添えで死亡しています。まずはこの戦闘の原因から振り返ってみましょう。

拘束アラブ人がきっかけ

イスラエル
写真はイスラエル。イスラエルはパレスチナ勢力と長年争っている。
この戦闘の原因になっているのは、イスラエルに収監(しゅうかん)されている多数のアラブ人です。収監アラブ人は多数に及び、正確な数は知られていません。しかしレバノン南部に拠点を置く民兵組織ヒズボラが、アラブ人釈放を求めるために、イスラエル軍の兵士2人を、7月12日に拉致・拘束してしまったのです。これが今回の動乱の発端でした。

ヒズボラは拉致兵士の解放の条件として、イスラエルに拘束されているアラブ人1000人の即時釈放を提示しました。しかしながら、イスラエルはこの要求をのむ姿勢は全く見せず、ついに同じ12日に、ヒズボラ殲滅(せんめつ)のために軍事行動を開始したのです。

この戦闘は最初はイスラエル軍の空爆が中心でしたが、それだけではヒズボラを潰すことはできないと判断したのか、その後地上軍も投入して大規模な戦闘になっています。どの戦争でも言えることですが、最初イスラエルはヒズボラを簡単に叩き潰せると思っていました。しかし現実はそんなに甘くなく、決定的なダメージが与えられないまま、戦闘は泥沼化しています。

イスラエルに甘いアメリカ

さて、今回のイスラエルの攻撃に対する国際社会の反応ですが、もちろん攻撃を非難する声が圧倒的に多くなっています。そんな中、世界一の超大国であるアメリカが、イスラエルに対して甘い態度を続けています。昔からアメリカはイスラエル寄りであり、中東で戦争が起こると必ずイスラエルを支持してきました。今回も同じような姿勢でいるため、紛争終結を求める声にパワーがありません。またイギリスもアメリカと同じ姿勢を取っています。

アメリカの考えでは、ヒズボラは中東地域で不要なテロや紛争を起こしているので、ある程度は叩き潰す必要があるのです。また、シリアやイランがヒズボラを支援しているので、それらの国に対する警戒感もあります。

ただ先進国でもフランスなどはイスラエルに批判的な姿勢でいるので、アメリカとの溝は深くなっています。またアメリカはいつもイスラエルの味方をするので、他の中東諸国ではかなり嫌われています。今回のような姿勢だと、さらに嫌われてしまうことになるでしょう。

→この紛争は今後いつまで続くのでしょうか?