税金対策で買われる海外の不動産

今回の報告書からすると、日本人が海外の不動産を買っている額も相当なものになります。しかしその多くが、税金対策のために購入されたものでもあるでしょう。

80年代後半に円が強くなって以来、日本人の間に海外不動産を買う動きが活発化してきました。海外の不動産は減価償却費を多目に計上できるなど、税制面でのメリットが多いからです。

減価償却費の違いがなくても、そもそも所得税や法人税が違うのです。日本の税金は主要国の中ではかなり高い水準にあり、その税金を嫌って海外へ資金を動かすケースが多いでしょう。「対外貸借報告書」で日本の対外純資産が多いのは、日本の税金が高いというのも原因に入っていることでしょう。

対外純資産ランキング。本当は何のランキング?

主な国の対外純資産残高
主要国の対外純資産残高表
▲はマイナスを表わす
今回まで15年連続で日本が1位になった対外純資産のランキングですが、ずっと2位にいるのがスイスです(上の表参照)。そしてスイスでは、金利が1%程度しかありません。これは主要国では、ゼロ金利の日本に次いで低い数字です。

主要国では一番金利の低い日本が対外純資産ランキングの1位であり、そして次に金利の低いスイスが2位。これは、対外純資産ランキングというものが、実は低金利のランキングであったことを示しています。

もちろん金利だけの問題ではないので、対外純資産ランキング=低金利ランキング、と単純に決め付けるのは乱暴でしょう。しかし資金というものは、金利の低い国から金利の高い国へ流れるのが普通です。

15年連続で日本が1位になっているのも、日本がその間ずっと超低金利を維持してきたことが大きな理由でしょう。そういう意味では、対外純資産ランキングというものも、それほど誇ることではないかもしれません。

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