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原油価格はなぜ上がる?その要因・原因

止まらない石油価格・原油価格高騰。ガソリンや灯油など、生活のさまざまな面に影響を及ぼしている今回の原油高ですが、その原因・要因についてわかりやすく解説します。

執筆者:鳥羽 賢

複雑な要因が絡む今回の原油高

灯油価格の上昇によって家計が苦しくなった家庭も多い
原油価格の上昇は生活にも直接影響している
原油価格は昨年以来高騰が続いています。原油価格の高騰はガソリンや灯油の価格など日常生活にも影響を及ぼしています。ガソリン価格が上がって仕事に支障が出ている方や、灯油価格の上昇で家計が直撃されている方も多いでしょう。また燃油サーチャージという形で航空運賃にも金額が加算され、旅行が好きな方も影響を受けています。

石油価格の上昇というと1970年代の石油ショックが思い出されますが、あの時は産油国の生産抑制という明確な原因がありました。しかし、今回の原油高はちょっと原因のつかみどころがないですね。

ここで改めて物の値段の決まり方を考えて見ましょう。商品の値段は、基本的には需要と供給のバランスで決まります。価格が上がっているのは、需要が増えて供給が減っているからなのです。今回の原油高でも、その基本は変わりません。

今回の原油高の原因として考えられるものは、以下のような要因です。

1、中国やインドなど新興国の経済発展 - 需要の上昇
2、産出国の生産能力の停滞 - 供給はそのまま
3、ハリケーンの被害 -供給の低下
4、投機的資金の流入 - 需要の上昇

では、これらの要因を詳しく解説してみましょう。

1.中国やインドなど新興国の経済発展

近年では中国やインドなどの新興国が発展を続けていて、発展とともに原油の需要も拡大しています。特に中国の原油需要は急増していて、中国はすでに日本を抜いて世界第二位の石油消費国になっています。

この要因はなかなか解消できるものではありません。一度石油を消費するようになってしまった国は、元に戻ろうとしても難しいのです。日本やアメリカなどの先進国が石油消費量を減らすことは難しいでしょう。こういった要因を考えると、原油が90年代のような低水準に戻ることは難しいかもしれません。

→次ページで原油価格上昇要因の2と3を見てみましょう。
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