目に見えないものは信じない!」そういこじになることは確かにすすめられません。「夢」「希望」「愛情」といった本当に大切なものは目に見えないものだから。だからといって、なぜ私たちは、怪しげな現象にたやすく騙されてしまうのか?真理と錯覚を見抜く目を養うためにも必読です!(画像をクリックするとamazonに接続されます) |
血液型占いは有効か
「血液型占いは、統計学に基づいている」と一般的に言われています。ところが、日本だけで1億人を越える人数が、ABO式のたった4種類だけで分けられるわけもなく、実際には血液型の分類にはABO型以外にもRh+-型やMN型など様々な分け方があります。ABO型の分類は赤血球だけに関するものですが、白血球についてもHLA型と呼ばれる種類があり、HLAの組み合わせだけで数万種類あると言われているのです。ABO方式はそんな血液型の分類方法のひとつにすぎません。ですから、血液型を元にたった4種類に分類してしまうのは、かなり乱暴な理論と言えます。
それなのに、なぜ血液診断はここまで一般的に浸透し、みんなが信じてしまうのでしょうか?
それはバーナム効果が一番の要因であると言われています。これは、誰にでも該当するような曖昧で一般的な性格をあらわす記述を、自分だけに当てはまる正確なものだと捉えてしまう心理学の現象のことで、「言われてみると、当たっているような気がする」と思い込んでしまうことです。
さらには、日本では血液型性格診断が一般的に根付いていることで、各人の行動様式に告げられた性格が織り込まれてしまっているということも指摘されています。つまり、幼い頃からA型は神経質だからと何度も繰り返し言われているうちに、本人も自分は神経質だと思い込み、そのように行動してしまうことです。すると、やはりA型は神経質だという診断に当てはまる、まるで「卵が先がニワトリが先か」といったような因果の逆転が起こってしまう、というものです。
血液型診断の、何がいけないのか
血液型診断には科学的根拠や理論が立証されていません。ごく親しい友人同士で一種の遊びとして考えるのなら、目くじらを立てるほどのものではありません。ですが、それ以上のものになってくると、多くの問題が出て来ます。以前、血液型性格診断を取り上げたテレビ番組『あるある大辞典2』「春の芸能人血液型スペシャル」に対して、以下のような事例が報告されました。
特定の血液型を「いい加減な性格の持ち主」「二重人格」などと決めつける内容が目立ち、NHKと民放が設立した第三者機関「放送倫理・番組向上機構(BPO)」には、視聴者から「子供が血液型でいじめを受けた」「一方的な決め付けで不快」などの抗議が4月以降、50件以上寄せられた。このためBPOの青少年委員会は番組内容などを検討し、「科学的根拠があるかのような体裁で問題がある」などと判断、近く民放各社に対し、番組制作にあたり慎重な対応を、と要望する。(毎日新聞2004.11.28より引用)
あなたが軽く口にした「○型って××だから」という一言が、密かに誰かを傷つけてしまうかもしれないのです。ましてやその相手が、初対面に近い人や後輩なら、立場上あなたに反論することも難しいかもしれません。これはセクハラと同じように相手の嫌がる行為を行うことと同じで、「ブラッドタイプ・ハラスメント」と呼ばれています。現実に、会社で人事や採用の場、果ては保育園の園児の組み分けでも血液型によって人格や能力を決め付けられ、診断されている場合があるようです。実際に、血液型診断で嫌な思いをしている方も多いようです。「血液型性格占いなんて、気軽な遊び、コミニケーションだよ」と反論する前に、少し考えてみませんか?
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