ただの慣例としてのあいさつから、感情を込めた戦略的な言葉掛けへ!ぜひビジネスに活用してください |
あいさつ言葉に感情を乗せる
あいさつは感情を込めることで立派なコミニケーションアプローチになります。そのためには、「どういう結果を望むから、自分はあいさつをするのか」という意識を持って実行することが重要です。その意識さえあれば、自然と目的にあわせた「あいさつ」をすることができます。
例えば、あいさつを相手に好意を伝えることが目的とするならば、にこやかで親密なあいさつになりますし、マナーとして考えるならば丁寧なあいさつになります。組織やプロジェクトチーム、あるいは取引先にやる気や積極性、前向きな姿勢を示したければ、自然と歯切れの良い姿勢正しいあいさつになるはずです。あいさつに意思やメッセージを込めるやり方です。
一番わかりやすいのが、会議の冒頭で議長役の上司が発する「おはよう」の一言です。この一言にどのような感情を込めるかで、その場の雰囲気をや会議の方向性まで変えることができます。職場やプロジェクトチームでも、朝の一言のあいさつで組織全体に適度な緊張感をもたらしたり、逆に和やかな雰囲気を作り出すこともできるのです。さらに、あいさつには適切に行えば、相手や周囲に元気やエネルギーを与えるという効用もあります。元気で明るいあいさつは周囲の空気を明るくします。感情は伝染し、人と人の間で共鳴しあうという特性があるからです。
そのためにも、あいさつをする前の感情のセルフコントロールが大切になります。今、あなたの気分ではなく、あいさつをすることでもたらされる「望む結果」に集中する必要があるのですが、この部分はまたの機会にご紹介しましょう。
あいさつをされる側でも武器にできる
会話術はよくキャッチボールに例えられます。投げられた言葉(ボール)を、受け取り、また相手に投げ返す。要するに、コミニケーションとは双方向のものなのです。お互いの心の距離を近くするためには、話し手と受け手の両者の協力が不可欠なのです。話し手と受け手、二人の登場人物がいるのですが、私は受けての影響の方が大きいとさえ思っています。詳しく見てみましょう。
例えば、あなたが先輩や同僚にあいさつしたのに無視されたとき、どんな気持ちになりますか。上司にあいさつしたのに、チラッと視線を向けられただけで何の反応もなかったとき、上司にどんな感情を抱きますか。あるいは、あなたが部下にあいさつしたのに、知らない顔をされたとき、その部下をどう評価しますか。訪問先の事務所であいさつしたのに、知らない顔をされたとき、その会社のどんな印象を持ちますか。
人に無視されたとき、適切だと思うレベル以下の扱いを受けたと感じると、ほとんど反射的に不快感を抱き、怒りを感じます。そして、その怒りの矛先は大抵の場合は不快感を与えた相手に向けられます。その結果、相手に大して抱いていた信頼感や好意は一気に急降下します。
では、逆のケースを考えてみましょう。あなたが何の気なしに先輩にあいさつすると、「やあ、おはよう。今日も元気に張り切っていこう!」と大きな声と笑顔が返ってきました。あなたは、どんな気持ちになりますか。思わず「はい!がんばりましょう」と返したくなりませんか。あなたが外回りから返って上司に「ただいま帰りました」と声をかけました。すると、上司が「ご苦労様。外は寒かったろう。毎日よく頑張ってくれるなあ。君には期待しているよ」と笑顔で労いの言葉を返してくれました。あなたは上司に対してどんな感情を抱きますか。「ありがとうございます。頑張ります!」と返事を返したい気持ちになりませんか。実は、会話の次の展開を決めるのは、話し手よりも受け手である場合が多いのです。
「あいさつの仕方」があるのなら、「あいさつのされ方」というものも存在します。あいさつをされた側は、受けたあいさつ以上の返答(あいさつ)を返すことができることで初めて相手の心に届くコミニケーションアプローチになるのです。
受けたあいさつ以上の返答とは、例えば声の大きさや元気さ、笑顔や表情、態度や身振りなどに気持ちを込めたり、あいさつの言葉に「話しかけ」をプラスするなど、1のあいさつに対して2や3で応えるということです。つまり、あいさつの「倍返し」です。上手な「あいさつのされ方」は、相手の感情を動かし、心の距離を近づけるのです。
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