実践的キャリア本
▲実践的な手法満載の『スイッチ・オン』ケヴィン・W・マッカーシー著(扶桑社刊) |
私は、いわゆる「キャリア本」を多く読む。最近読んだ中では印象に残る一冊となったので、あらためて記事として紹介したい。
価格は税込み1000円(購入時)で158ページという、比較的軽めの本だが、内容に散漫な部分が少なく、カッチリ読める。
キャリア本には残念ながら、同じような話を何度も繰り返し、途中で飽きてしまう本が多いが、ページ数に比して紹介されている手法の数が多くお得感がある。
「目的志向」の生きかたを強調
この本は、小説仕立てのストーリーを通じて、著者が伝えたいコンセプトを描く、『ザ・ゴール』のような構成になっている。エッセンスを一言にまとめると「目的志向の人間になってほしい」ということ。
自分の頭で生きる意義、働く意義を見出して、それを実現するために何をすべきか、いかに生きるか再考しようと提案をしている。
同じコンセプトを繰り返すという意味では、この「目的志向」はクドイぐらい何度も繰り返されるが、紹介する手法が毎回異なるためまとまりはいい。
トーナメント法
▲「トーナメント法」やりたいことに優先順位を付ける |
この本では最初に、「やりたいこと」をたくさんリストアップさせる。これは他の本でもよく言われていることだ。
たくさん挙げるのは簡単だが、そのままでは具体的なアクションが起こせない。優先順位を付けバランスよく「やりたいこと」をまとめなくてはならないのだ。
特に優先順位を付ける作業で迷いが生じる。『スイッチ・オン』が勧める手法が、「やりたいこと」をトーナメントで戦うように勝ち負けをつけて、1番やりたいことをハッキリさせる。実効性のあるキャリアプランを作成するには、単純だが使い勝手のいいやり方だと言える。
『一冊の手帳で夢はすべてかなう』の著者、グローバルメディアオンライン熊谷正寿社長は、「夢・人生ピラミッド」など独自の手法で、この作業を行なっている。こちらも過去記事「クマガイ式成功哲学の真髄」をチェックしてほしい。
>>次ページは『スイッチ・オン』が教える「時間の予算」設定法