日本の住宅は、中古になるとなぜか価値が大幅に下がり、価格も最終的にはゼロに近い数字になってしまいます。それに対して、アメリカの住宅は、中古になっても価格が下がらないどころか、ますます価値が高くなるとか。これはどうしてなのでしょうか? 今回はアメリカの住宅事情から、日本で価値を下げない中古住宅とはどんな家なのか、考えていくことにします。
◆アメリカの中古住宅の決め方は?◆
アメリカでは中古になっても住宅の価値が下がらない理由を探る前に、アメリカの家の価格はどのように決められるのか、調べてみました。いくつかの考え方があるようですが、次の3点から総合的に判断されることが多いようです。
(1)同じような条件の売買事例から判断する
この方法は日本でも行われていますが、アメリカでは不動産を評価する基準が決まっていて、独自の換算方法が確立されているようです。市場の動きによって見直しもされます。
(2)賃貸料から算出する
その住宅を賃貸に出したときにいくらの家賃収入が得られるかをもとにして、住宅ローン金利などの条件を組み合わせて、どのくらいの資本(建築費)がかけられているかを計算するという方法です。
(3)再建築するときの費用から計算する
その住宅と同じグレードの家を再建築したら、今、どのくらいの建築費がかかるかの単価をもとに、その住宅の延床面積に合わせて計算する方法です。傷みがひどく、修理が必要な箇所がある場合は、そのぶん価格から差し引かれるなど、手入れの善し悪しで価格が上下する可能性があります。
上の3つの方法のうち、(1)は、中身の多少の違いはあったとしても日本でも通常行われていますし、(2)も、条件のよい住宅は価格が高くなりますので、なんとなく納得できる条件だという気がします。
しかし、(3)についてアメリカでは、家の売買が検討されたときの建築費をベースにしますので、物価が上がっていれば、中古であっても、住宅価格は新築したときより、上がることになります。また、住宅の価格が下がらないようにするため、アメリカでは住宅のグレードアップをはかるため、住宅を買ってから住んでいる人がいろいろ手をかけています。古い家ほど、手が加えられていることになるので、住宅価格が大幅に暴落することはなく、逆に中古住宅でも価格は上がっていくという仕組みのようです。
一方、日本では経年変化によって減価償却するという考え方から、建築費を参考にしながらも減額されてしまうので、中古住宅は安くなってしまうのです。
では、どのようなグレードアップをしているのか、アメリカに暮らしたことのある人からお話を伺ってみましたので、次のページでご紹介しましょう。