野球を本格的に始める年齢は?
まずは、キャッチボールで野球の楽しさを実感させよう! |
一時期、日本テレビのプロ野球中継での選手紹介の際、その選手が「いつから野球を始めたのか」を表示していましたが、「小学校3年生」という回答が多かったのが印象的でした。
サッカーと違い、バットをボールに当てるには、一定の体力や技術がいります。それがある程度できるようになるのが小学校2~3年生くらいだからなのかもしれません。
ちなみにヤンキースの松井秀喜選手がチームに入って本格的に野球を始めたのは、小学校4年生になってから。15歳で阪神タイガースに入団し、話題をさらった辻本賢人選手の場合は、小学校2年生のときにハワイで野球を始めています。また、イチロー選手のように3歳からボールに馴染み、小学校に入ってからはバッティングセンター代だけで月6万円になるほど練習に打ち込んでいたというケースもあるので、「いつがベストなのか」については、子どもの適正や体力、性格による違いも大きのかもしれませんが、「小さい頃から野球場に連れていったり、マメにキャッチボールをして野球に馴染み、少年野球チームに入って本格的に取り組み始めるのは小学校2~3年生くらいから」というのが平均的なパターンと言えそうです。
元プロ野球選手の屋敷要さんのホームページ「野球書」にも、「野球を始める時期」について触れられている項目があるので、参考に。
少年野球チームには2種類ある!
ある程度、親に負担がかかることもお忘れなく! |
ところでその少年野球チームですが、実は少年野球には、「軟式」と「硬式」の2種類があります。
「硬式」とは、プロが使っているものと同様「硬球」と言われる種類のボールを使うもので、甲子園で行われている「高校野球」も「硬式野球」です。「軟式」は、日本独自のものだとも言われ、ルールなどは野球と変わりませんが「軟球」と呼ばれるボールを使うのが特徴です。
少年野球の場合、よく近所で見かける地元の野球団の場合はほとんどが軟式野球で、硬式野球を希望する場合にはリトルリーグやボーイズリーグに所属するチームに入らねばならず、入団条件も満9~12歳という制限があります(性別は不問)。
少年野球チームに所属する段階で、このどちらの野球を選択するかを考えなければいけません。
「いつか硬式野球に移行するなら、はじめから硬式で」という考え方がある一方「最近は軟式出身の選手のほうが、高校で硬式移行後伸びる」という指導者などもいて、どちらの方がいいということはありません。ちなみに松井選手などは軟式出身、清原選手や松坂大輔選手などは硬式出身です。
ただ、いずれの場合にせよ、小学生対象のスポーツチームの場合、野球に限らず、運営には保護者の協力が欠かせません。
実際には、入団を希望するチームの保護者に話しを聞くのが一番。またほとんどのチームでは「体験練習」のシステムがあるので、本当に自分が続けていけるのかどうか、子ども自身が体験した上で判断することができます。その前にちょっと下調べをという場合には全日本リトル野球連盟や全日本軟式野球連盟といったサイトを一度覗いてみてはいかが?
そしてもうひとつ、全国大会を狙うような強豪チームに入れるのか、野球を楽しむレベルのチームに入れるのかという問題もあります。
チームカラーによる部分も多いので、決して断言はできませんが、全国大会を狙うようなチームの場合、練習回数が多いだけではなく、遠征試合などもあり、親の負担も覚悟しなければなりません。また、当然レギュラー争いなども熾烈になりますが、レベルが高い分、実力の研鑽に繋がります。
一方、地元リーグだけで試合をしているレベルのチームなら、最近は少子化の影響やサッカーとの競合などもあり、メンバー不足に悩むチームも多く、それほどの実力がなくても試合に出場でき、まさに野球を「楽しむ」ことができますが、実力をつけるという点では、どうしても強豪チームに劣る点があることも否定できません。
実はこのチーム選びは、子どもの受験にも大きな影響を与えます。「スポーツ推薦枠」という言葉を、皆さんは聞いたことがあるでしょうか? これは野球に限らず、スポーツに優れた才能を持つ子どもが、その能力で学校に推薦入学できるシステムで、いわゆる「強豪校」と言われる部活を持つ多くの高校、大学で実践されていますし、一部の中高一貫校では、中学入学の時点で、この推薦枠を設けている例さえあります。
一口に「スポーツ推薦」といっても、入学試験実質免除、入学金のみ免除、学費まですべて免除など、さまざまなパターンがあります。「エッ!学費無料なんて、それは魅力!」と思われるかもしれませんが、「スポーツ特待生」として入学している分、怪我などの理由でそのスポーツが続けられなくなると退学を余儀なくされる場合も少なくないのです。
また、スポーツだけではなく、進学校としても有名な学校の場合には、中学在学中の成績表に5段階評価の「3」が一教科でもあると推薦を受けられないなど「文武両道」が求められる場合も多く、決して「野球だけをしていれば受験不要で学校に入れる!」というほどオキラクなものではありません。
また、このスポーツ推薦枠に入るためには、ある程度大きな大会で活躍し、「スカウト」の目に止まる必要もあるので、どうしてもある程度の強豪チームを選ぶ必要があります。
いずれのチームを選ぶにしても、指導者の方針をよく理解し、我が子の性格や目的に合ったチーム選びをしたいもの。
投手の「肩」は消耗品ともいわれます。少年野球時代に、目先の勝利にこだわるチームのために連投を重ねて、いざ、プロになるころにはすでに肩がボロボロで活躍できなかったという実例もあります。「選手を育てる」力量のある指導者に巡り会えるか否かは、子どもの野球人生にも大きな影響を与えることを忘れずに!
野球を習いに行く!
ピアノや絵画だけではなく、スポーツだって”習う”時代”! |
実は「アマチュア野球規定」があり、高校生以上になるとプロ野球選手、経験者からは直接指導を受けられないといったルールもあるのですが、小学生以下の場合はそうした規定がありません。ですから特にシーズンオフになると、各地で盛んに「少年野球教室」が開催されますから、チャンスがあればどんどん参加してレベルアップをはかりましょう!
「少年野球教室」に関する情報は世界少年野球推進財団のほか、各球団の公式サイトでも、不定期に募集が行われることがあります。
また、もう少し本格的に習いたいという場合には、元プロ野球選手で社団法人プロ野球選手会認定指導員でもある水上善雄(元ロッテオリオンズ)さんが主催しているベースボールクリニックや野球塾、そして上達屋などがあります。多少費用はかかりますが、その効果は抜群。小さい頃に、しっかりとした基礎を身につけさせたい! という本格派ファミリーにお勧めです。
さあ、ここまで親が下地を作ったなら、あとは子どもの努力次第! その夢が叶うよう、応援しています!