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夏休み中、試験的に許可する区も!「公園で花火禁止」の多い都内、手持ち花火ができる場所はどこ?

夏の風物詩、花火。子どもと一緒に楽しみたいと思っても悩ましいのが花火をどこでやるか。花火NGの公園も多いのですが、その理由やどう遊ぶのがいいかを調べてみました。

古屋 江美子

執筆者:古屋 江美子

旅行ガイド

手持ち花火

都内では「花火をできる場所がない」と嘆く声も

今年は花火大会が全国各地で盛り上がっていますが、子どもと楽しむ「手持ち花火」も風情があっていいですよね。

花火はコンビニやスーパーで気軽に買えますが、都内在住のママやパパからは「花火をできる場所がない」と嘆く声を聞くこともあります。都内の現状や花火ができる場所について調べてみました。
 

港区では試験的に解禁! 都内23区では「公園で花火NG!」の場所が多いが

マンションなど集合住宅に暮らす人にとって身近なのは公園。都内23区の各公式サイトで、公園での手持ち花火の可否について記載があるかを調べたところ、明確なOK・NGの記載を見つけられたのは以下の区でした(2023年8月9日時点)。
 
■公園での花火はNG
荒川区、板橋区、大田区、台東区、豊島区、港区、目黒区
 
■手持ち花火であればOK
足立区、江戸川区、葛飾区、北区、江東区、杉並区、墨田区、世田谷区、中央区、中野区、文京区
 
なお、「手持ち花火であればOK」としている区の中にも、一部花火ができない公園があります。また当然、守るべきルールやマナーもあります。利用の際は、公式サイトや公園の掲示を確認し、不明点があれば公園管理者に問い合わせるなどしてください。

また、基本的に認めているのは、線香花火などの手持ち花火のみとし、打ち上げ花火、音や煙が多い花火は禁止のところがほとんど。住宅が密集している都内では、音や煙は近隣住民の迷惑になりやすいため、自宅の庭であっても注意したほうがよさそうです。

このほか、都立公園については、葛西臨海公園や光が丘公園をはじめとする一部の場所で、事前に申込をすれば、手持ち花火を楽しめるところがあります。

また、港区では実験的に夏休みの期間中、地域の子どもたちの夏の思い出づくりのため、花火の利用を認めることにしたそう。火気や騒音、煙の問題などは、近隣に住む方や公園利用者などへの迷惑行為とされ、公園や児童遊園での花火の使用は、基本的に禁止していますが、区民からの要望を受けて試行することになったようです。
 

道路での花火は「道路交通法」に抵触するおそれ

子どもと手持ち花火を近所で楽しみたい人は、自宅のある区の公園が花火NGだと残念ですよね。では、道路はどうでしょうか。警視庁に「自宅の家の前の道路で花火をやってもよいか」と問い合わせてみると、次のような回答でした。
 
「道路における花火については、道路又は交通の状況や、交通の妨害となるような場合には、道路交通法に抵触するおそれがあります。花火を行う場合には、花火が許可された公園等の安全な場所を利用して行っていただくようお願いします」(警視庁)
 
道路における禁止行為については、道路交通法の第七十六条に記載があります。
 

河川敷での花火は基本的にOK

多摩川や荒川など、都内にはいくつか川が流れています。河川事務所のサイトなどを見ると、基本的に河川敷での花火OK。ただし、河川敷は自治体が公園として利用しているところも多く、その場合は自治体のルールに従う必要があります。

また荒川は、河川敷の約6割が民有地になっており、勝手に花火をすることはできません。
 
そのほか狛江市では、「多摩川河川敷環境保全区域」での花火を終日禁止にするなど自治体ごとのルールもあります。河川敷ならどこでもOKというわけではないので注意が必要です。
 

なぜ花火が禁止されているのか? 110番への通報もアリ

花火がNGの理由として、たとえば目黒区では、「煙、音、燃え殻の不始末などの問題のため、花火を禁止しています」と説明しています。ほかの自治体のサイトをみても、煙・騒音・ゴミ・火災の原因になることを主な禁止の理由に挙げています。

ちなみに、警視庁に花火にまつわる「110番通報」があるかも確認したところ、「花火の煙が周囲に充満している」「公園で花火をしており危ない」といった内容があるとのことでした。
 
トラブルを起こさないためには、ルールやマナーを守ることが大事。自治体によってルールやマナーは多少差がありますが、参考までに江戸川区のマナーを紹介します。公園で花火を楽しむ人なら誰もが意識しておきたい、基本ルールともいえる内容です。
  1. 打ち上げ花火、大きな音がでる花火、煙が多く出る花火等は使用できません。
  2. 近隣住民や他の公園利用者に危険や迷惑にならないように、時間帯、騒ぎ声、煙の向き等には配慮してください。
  3. 燃えやすいもの(枯草等)の近くは避け、水の入ったバケツなどを用意して、火の後始末を確実に行ってください。
  4. ゴミ、灰、燃えカス等は必ず持ち帰ってください。
  5. 子どもが花火をするときは、必ず大人と一緒に行ってください。
  6. 花火禁止の看板がある場所では行わないでください。また、住宅に隣接している小さな公園では煙、花火の音、騒ぎ声などで苦情がくる可能性があります。苦情があった場合はすぐにやめてください。

出典:手持ち花火について 江戸川区ホームページ

上記以外では、時間や人数にも注意が必要です。たとえば世田谷区では、「花火は、片付けを含め午後9時までにしましょう」と呼びかけています。子どもと楽しむなら、ちょうどよい時間の目安でしょう。
 
また中野区では、「5名程度の少人数で楽しみましょう」としています。やはり人数が多くなると騒がしくなります。子どもは大勢集まるとテンションも高くなってしまうので、少人数で、夜早めの時間に楽しむのがよさそうです。
 

ケガなく安全第一! 正しく遊ぶことも大事

マナー以外では、花火を正しく遊ぶことも大切です。火を使うものなので、やけどや火事には注意したいですね。総務省消防庁の発表によると、花火による火遊びが原因の火災は、2021年に2件、2022年に13件が発生しています。

花火煙火協会のサイトには「正しい花火の楽しみ方」として、次のような項目が紹介されています。初めて花火を楽しむお子さんと事前に確認するのもおすすめです。
  1. 花火に書いてある遊び方をよく読んで必ず守りましょう。
  2. 花火を人や家に向けたり、燃えやすい物のある場所で遊んだりしないようにしましょう。衣服に火がつかないように注意しましょう。
  3. 手持ちの筒もの花火は、手の位置に注意しましょう。
  4. 風の強いときは、花火遊びはやめましょう。
  5. 水を用意しましょう。大人と一緒に遊びましょう。たくさんの花火に、一度に火をつけないようにしましょう。
  6. 正しい位置に正しい方法で点火してください。
  7. 吹き出し、打ち上げなどの筒もの花火は、途中で火が消えても筒をのぞいてはいけません。大けがになることもあります。点火するときも筒先に顔や手を出さないこと。
  8. 花火をポケットに入れてはいけません。
  9. 花火をほぐして遊ぶことは危険です。絶対にしてはいけません。

出典:安全とマナー | おもちゃ花火 | 公益社団法人 日本煙火協会

日本の夏ならではのお楽しみである花火。マナーやルールを守りながら、ぜひ家族で楽しい夏の思い出をつくってくださいね。 
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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