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これからは上がり框のない玄関が主流!?

普段目にしているモノの中には、登場した当初はとても奇妙に見えたり、あまりカッコよく見えないものがあります。さて、現在、奇妙に見える上がり框のないフラットな玄関はこれからの主流になるのでしょうか?

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

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現在の自動車の主流といえばボンネットの短い1.5ボックスのミニバンやワゴン車。でも、ほんの10数年前は少数派でした

普段目にしている世の中にあるモノの中には、登場した当初はとても奇妙に見えたり、あまりカッコよく見えなかったりするものがあると思います。例えば、ファッションだとローライズジーンズなどが、それにあてはまるのではないでしょうか?

ローライズジーンズは10代20代の若い人のファッションアイテムとして定着しているだけでなく、徐々にその着用エイジを拡大しつつあります。今では、街で見かけても驚かなくなりましが、登場当初は、あまりの股上の短さにビックリ。とても自分では履けないなぁと思っていました。けれどもこれだけ普及すると「私もいけるかも」と思ってしまうのが、チョット恐ろしい現象です。

まぁ、ローライズジーンズはファッションなんで、いずれキレイサッパリ消えてしまって、時が経てば「あんなのもあったわねぇ」と思い出されるアイテムになるかもしれませんね。ベルボトムのジーンズみたいに。

ただ、工業製品の中には、登場当初にはとても奇妙に見えたものが、後々、そのカテゴリーの主流になることもあります。例えば、1.5ボックスの自動車などは、その例にあてはまるのではないでしょうか?

時とともに変わる主流

ワンボックスカーはご存じても、「1.5ボックスの自動車」という言葉は聞きなれないかもしれませんね。自動車はボディスタイルを箱(ボックス)に例えていうことがあります。セダンの場合は、エンジンルーム、人が乗る部分のキャビン、トランクの三つの箱からなるため3ボックスとなります。ほんの十数年前までは、この3ボックスのセダンがトラディショナルな自動車の形でした。乗用車といえばセダンを指していたんですね。

でも、1972年に初代ホンダシビックが、1974年に初代フォルクスワーゲンゴルフが登場し、自動車の主流は、徐々にエンジンルームとキャビンのみの2ボックスに移行していきます。それまでの3ボックススタイルよりも、機能的に時流にフィットした2ボックスカーは、その後、エンジンルームをできるだけ小さくしキャビンを延長した1.5ボックスカーのミニバンとなり、自動車の主流となっていきます。

私は、最初にシビックを見たとき、カッコ悪いとまでは言わないものの、とても奇妙な印象をもったことを思いだします。なぜなら、それまで2ボックスカーといえば軽自動車だったからです。シビックのフォルムは、太ったホンダN360に見えたのでした。例えて言うなら、犬の大きさのハムスターを見た感じといえば、わかりやすいでしょうか。今思えば、あの時が時代のターニングポイントだったのかもしれません。

住宅も例外ではない!?

機能的に優れていた2ボックスカーは、その後さらに、メーカーの生産効率の追求とユーザーの要望というを2つのポイントを満たす1.5ボックスカーのミニバンになり、今では乗用車の主流を占めるまでになりました。現代の子供たちは、自動車の絵といえばミニバンを描くのではないでしょうか。

さて、ここまで長々と自動車のお話をしてきましたが、実は、住宅でもこういったことはいえると思うのです。例えば、瓦葺きの三角屋根の家は徐々に少なくなり、コストやスペース効率を追求した切妻や陸屋根の家が増えています。また、ライフスタイルの変化から、昔の家では当たり前だった畳の部屋も減少傾向。分譲マンションなどでは、畳の部屋は3LDKの内一部屋のみというのは当たり前、和室のないプランが増え、オプション扱いの物件さえあります。

そして私は、先日、初めてシビックを見たときと同じような、とても奇妙な印象をもったあるものに出会いました。それは段差のないフラットな玄関です。これは、今後の玄関の主流になるのでしょうか?詳しくは次ページで。

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