住宅の被害は少なかった模様
地震の震源は静岡県沖で、最大震度は6弱。ガイドが住む東京でも震度4を記録しました。基礎も住宅の耐震性を左右するポイントです |
建築基準法で定める耐震性
では、建築基準法で定める耐震性能と、今回の震度との関係はどのようになっているでしょうか。建築基準法では、東京を想定した場合、数十年に一度程度発生する地震を震度5強ととらえ、このくらいの大きさの地震は、一般的な耐用年数の住宅が遭遇する可能性が高いとしています。そして、震度5強レベルの力を受けても「損傷を生じない」耐震性を備えていなければならないと規定しています。
さらに、数百年に一度くらいしか発生した大地震を震度6強~7とし、このくらい大きな地震でも「倒壊・崩壊等しない」程度の耐震性を備えていなければならないとしています。
今回の地震は、この基準となる震度5強と、震度6強~7の間の揺れです。建築基準法を守って建てた家なら、「損傷」を生じず、「倒壊・崩壊」しないはずです。震度が最も大きかった地域でも住宅の被害が少なかったのは、築年数は経ていても耐震補強をしていた住宅が多かったからではないでしょうか。
震度6強~7でも人命を守る家
住宅の耐震性について、建築基準法のいう「損傷を生じない」とは、大規模な工事を必要とする著しい損傷を生じないことを意味しています。一方、「倒壊しない」というのは、損傷は生じたとしても倒壊・崩壊することはなく、人命は守れる程度の性能ということです。
まとめると
●数十年に一度発生する可能性の地震
→震度5強 →損傷を生じない →住み続けられる
●数百年に一度に発生する可能性の地震
→震度6強~7 →倒壊しない →人命を守れる
つまり、家を建てるときは守らなければならない建築基準法では、震度6を超える大地震に遭遇しても命を守れる家を建てることを定めています。震度6強~7の地震は、数百年に一度起こるかどうかという地震であり、一般的な耐用年数の住宅なら遭遇しない可能性もあります。けれども、万一、震度6を超える大地震が発生した場合でも、家の倒壊が原因で亡くなることのない耐震性を求めています。これは、過去に起きた大きな地震をもとに何度か建築基準法が改正された結果なのです。
では、次のページでは、建築基準法が及ばない部分の危険性と、長く暮らせる家なら考えておきたいポイントについて説明していきましょう。