明るすぎる日本の住宅
今年の夏は電力不足から「節電」がさかんに叫ばれていましたね。夏至の日に行われた100万人のキャンドルナイトのイベントはその象徴的なものとして、ニュースでも取り上げられていました。
日本の夜は明るいと言われます。戦後、「明るいこと=豊かさの象徴」という図式が成り立って、街中どこでも明るく、住宅も白い蛍光灯を付けているというのが一般的でした。人々の生活が豊かになり、価値観が多様化するにつれて、住宅にも白い光だけでなく、白熱灯の赤みがかった光が見受けられるようになってきました。
人々の意識が変わってきたとはいえ、衛星から撮った夜景の世界地図を見ると、日本が際立って光輝いているのがわかります。隠れ家的な飲食店をはじめ、流行の店舗の照明は全体的に薄暗くなっているのですが、住宅となると、話は別なのでしょうか。人々は明るさに慣れてしまっているのでしょうか。
たしかに子供部屋や書斎は明るい方がいいですが、リビングルームなどくつろぐ部屋も一律に明るいのはどうかと思います。JIS(日本工業規格)では、リビングの場合、全般で30~70ルクスを推奨しています。12畳の部屋だったら白熱灯60W~100W4灯くらいの明るさです。実際にマンションで照度を測る調査では、200ルクス以上という結果が出ました。
国際ダークスカイ協会データより。主に屋外照明を撮ったもの。
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