陰影が生み出す情感
動く光のことをキネテックライトといいます。古くはキャンドルライトや石油ランプの光などが代表的なものです。炎が大気の動きに合わせて揺れ動くことで、その振動が空間にほのかな陰影をつくりだします。その光景を見て人々はいろいろな情感を持つのです。
日本では日常の生活にキャンドルを使う習慣がありません。一因として日本の家屋の多くが木造だからです。ロウソクを使用することで出火のリスクが高まるからでしょう。また、戦後間もなくは電気事情が悪かったせいでよく停電が起こりました。暗闇の中で輝く一筋の光は人や家具などの影を壁や天井に映します。その影が大きく、そして微妙に動くわけですから、特に子供の目には怖く映ったに違いありません。50歳代以上の人にはそうした思いがロウソクにあるはずです。
キャンドルと石油ランプ |
太陽の方位によって変化するステンドグラスはキネテックライト |
次の頁では、適な刺激と不快な刺激についてご紹介しています。