美術館ではできない照明演出
写真3 |
もし壁に飾られた絵画や写真を積極的に照明して美術館のような演出効果を求めるのであれば照明計画は慎重に行うべきです。特にスポットライトは光の広がりや取り付け位置によって、絵の表面にスポットライトの光が映って光膜反射グレア(一種のハレーション現象)を起こし却って絵が見えにくくなります。(写真2)
特に額入りの高価な複製画やリトグラフは汚れや光による損傷を防ぐため大抵の場合、透明のガラスもしくはプラスチックのカバーが付いています。
このような現象を防ぐため、額を前側に傾けるか照明器具のを少し壁際に寄せて配灯する必要があります。
壁一面を絵画などで飾るのであれば壁面全体を見た目で均一に照明するウォールウォッシャー照明が考えられます。この照明効果は作品たちを自由にレイアウトすることができる利点があり、絵画で飾られてないときでも空間に広がりや高級感を高めてくれます。
写真4 ラトゥールのポスターを使用 |
絵の内容によっては写真4のように部屋を暗くして絵画の光っている部分だけを強調する照明もあります。
このようにいろいろな方法を試して、美術館では見られない照明効果を楽しんでみるのも一考かと思います。
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