高齢者住宅で明るさが必要な場所


写真4.リビングの中に設置された開放的な階段
一般的に、高齢者の住宅では若年者の住む空間の2~3倍の明るさが必要と言われることがありますが、これは視作業をする場合のことで、全般照明を2~3倍にするという意味ではありません。逆に高齢になると水晶体内の不純物によって光が散乱されやすくなり、まぶしさには敏感になるので、光源の眩しさが直接見える場合は不快感を感じてしまいます。内装色も真っ白よりはベージュの方が好まれるのはそのためです。

照明メーカーの住宅向けカタログのなかには、部屋の中央にシーリングライト器具を1台つける前提で、蛍光灯であれば150lx前後、白熱灯であれば50-100lx程度になるようおすすめ畳数が示され、日本ならではの明るさの目安となっています。

一室一灯の場合、シーリングライト器具などが最も明るく見えるので、器具に目が行ってしまうと空間そのものの明るさ感を得ることは出来なくなります。まして高齢者に配慮すると1ランク大きな器具を設置することになり、高齢者に大敵な器具自体の眩しさは増す可能性があります。よって全般照明のみで明るさを取るのではなく、後から設置できるスタンドなどの局部照明が有効となります。

写真5.間接照明とペンダントを併用した明るい雰囲気のダイニング
局部照明では、生活者の視力にもよりますがキッチンの手元灯、洗面所で500lx、読書灯(書斎)で1000lxを目標にすると良いでしょう。

また、視覚の順応機能が低下し、極端に暗いところに入るとしばらくは周りが良く見えません。そのため、明るさが大きく変化しすぎないように注意する必要があります。特に、家庭内事故の多い廊下と階段は、明るさ対比が極端にならないよう、同じ照度で設定されています。

高齢になると眠りが浅く、深夜に廊下を通ってトイレに行くことも多くなります。一度、明るい光を浴びてしまうと刺激になり、今度は寝付けなくなってしまいます。30lx以上でも刺激になるそうなので、廊下にフットライトや、トイレに調光をつけるなどの配慮が必要です。

住まいは一生の買い物なので、まだ高齢でなくても、将来にわたって快適に生活できることが重要でしょう。

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