繊細な造形美写真1.芹川画廊での展示。訪れた人は模型の大きさと細かさに驚いていました。東京湾アクアラインの海ほたるパーキングエリアに展示されることになった「海の上のお城」は、東京芸術大学工芸科3年生の伊藤航さんが、4年かけて作り上げた紙のお城です。2.4m×1.8m、高さ1mほどある巨大な模型で、お城を中心に、教会や学校、工場などが配置されています。中にはモーターで動く観覧車や風車、レールを走る電車などもあります。お城は全てケント紙(張りのある厚紙)とスチレンボードで、とても緻密にできています。建物の複雑な造形も一枚の紙にカッターで折り目を入れて、組立てられているのには驚きます。円や模様が抜ける穴あけパンチも駆使し、細部まで細かく作り込まれており、見れば見るほど新しい発見があります。もともと芸大受験中の息抜きに作り始め、2年前に完成したそうですが、作品展で展示した後、伊藤さん自身は燃やしてしまおうと思っていたとのこと。しかし、それを聞いた芹川画廊(銀座)の主人が、しばらく画廊に展示し、設置場所を探そうと朝日新聞で募集したところ、海ほたるパーキングエリアに決まったという経緯があります。次の頁では、光で魅せるダイナミックな変化についてご紹介しています。123次のページへ