「演色性」って何?
写真1.自然光で見た色鮮やかな景色
演色性とはランプによる色の見え方を言います。よく、「このランプは色が良く見えない」といった言葉を耳にしますが、それはおもにランプのせいです。演色性には2通りの評価法があり、数量化してその善し悪しを決めるための目安になります。一つは平均演色評価数です。
これはcolor rendering averageの頭文字をとってRa(アールエー)が使われています。Raは図1のように一般生活によく使われる8色を試験色とし、試験光源が基準光源(自然光や白熱電球)で照らしたときと同じ色に見えたら、それはRa100になり、最高値です。当然自然光や多くの白熱電球は概ね満点の100で、最も色が自然に見える光源を意味します。逆にRa0は全く色が見えていないことになります。
図1.平均演色評価数用試験色※モニターによって色の見え方は実際と異なる場合があります。
実際、明るさがあれば物の色も見えるのが普通です。しかし、明るさがあっても色がよく見えない光源が実存します。例えばRa0の低圧ナトリウムランプです。どんな光源かと言えば、おそらく、今日ではほとんど見かけることはできないと思いますが、昔はトンネルの照明として使われてきました。
黄色い光で、その中に車や人が入るとすべての色が灰色がかった感じになってしまいます。低圧ナトリウムランプは長寿命で、さらに少ない電力で明るさが取れるため、色の見え方を重視していないトンネル照明には良い光源とされていたのです。
写真2.高圧ナトリウムランプの歩道灯
その後トンネル照明は大半がオレンジ色がかった高圧ナトリウムランプになりました。これは道路の照明にもよく使われます。このランプのRaは20ちょっとで、決して良いとは言えませんが、低圧ナトリウム同様、長寿命で効率の良さが評価されて使われてきた経緯があります。Ra20のこのオレンジ色光で見る車の色は、やや灰色がかって見えますが、低圧ナトリウムに比べれば改善されていると言えるでしょう。
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