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唐津焼を訪ねて(3ページ目)

有田や伊万里の端正な磁器と違って、陶器の唐津焼には素朴で大胆なフォルムや仕上げが息づいています。使い込むことによって持つ人の人格がにじむ焼き物です。

執筆者:黒田 秀雄

焼物のふるさと探訪シリーズ Vol.4
唐津焼を訪ねて

 
唐津駅南口を出て少し歩くと、町田川にかかった橋があります。
橋を渡って川沿いに東に歩くと
道路に御茶?窯通と焼かれたタイルの路地に出ます。
この路地の先に唐津焼の第一人者と言われる
中里太郎右衛門陶房があります。



高い土塀に囲まれた中里太郎右衛門陶房の前は来客用の駐車場。

正面玄関。なかなか立派なギャラリーだ。

邸内に入るとピロッティ形式の和風建築が二棟並び、五葉松を配した立派な庭園が広がる。

気づかないうちにススキのシーズンを迎えていた。

二棟を結ぶ渡り廊下の下には、わき水が滾々と溢れ出る池があり、錦鯉と鮎が元気に泳ぎ回っている。川魚の鮎を池で見るのは初めてだ。

渡り廊下手前の一棟目は、中里工房の職人たちの作品が展示販売されているギャラリー。続く二棟目に十三代目中里太郎右衛門と現在の十四代目中里太郎右衛門の作品を展示したギャラリーがある。

ギャラリーの内部は閑静な空間。
ちなみに十二代目中里太郎右衛門という方は、人間国宝として唐津焼を世に広めた方として知られています。生存中に中里太郎右衛門の名を継ぐ決まりがあり、十三代もまだまだ現役として活躍されているそうです。

一番気に入った作品は先代の十三代目中里太郎右衛門の彫唐津。500万円の値札がついていて残念ながらとても手が出ない。



中里太郎右衛門陶房のすぐ近くに実際の工房がありますが、その横に大正時代まで使われていたという登窯が苔むしたままで現存している。

歴史を感じさせる登窯は、造形的にも素晴しいフォルムを私たちに見せてくれる。

この登窯の横に建てられた案内板

 

 

「食器のふるさと探訪」ガイド記事のシリーズは、
Vol.1:陶器の町益子を訪ねて
Vol.2:有田焼と伊万里焼を訪ねて
Vol.3:美濃焼を訪ねて
があります。 そちらもどうぞご覧ください。


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