●販売開始から契約までに1ヶ月から3ヶ月
仲介業者は十分に物件説明ができる状況になってから、家を売りに出します。販売が開始されてから、客が付くまでに何日かかるか?一般論も原則もありません。1日で客が付いてしまうこともありますし、3ヶ月やっても購入希望者が現れないこともあります。ただ、預かった仲介業者としては、3ヶ月間で決済までもっていこうともくろみますから、理想的には1ヶ月で購入希望者を見つけ、2ヶ月以内には売買契約を結ばせたいと考えるでしょう。
●購入希望者が現れてから契約までに1週間から2週間
客が自宅を内見して、すぐに購入申込書を書いて、その日の内に契約締結ということもありますが、購入申し込みにさまざまな希望条件が付帯すると交渉する時間がかかります。交渉している間に、他の商談を平行して進めると客に迷惑のかかることが起こりえますから、交渉中は「購入希望がはいったので売り止めです」といった処理が行われます。
購入希望者と売主との交渉中は他の商談を止めるわけですから、期間(または制限時間)をきって交渉を始めるのが普通です。短くて1日、長くても1週間くらいでしょう。普通なら、購入希望者が現れてから2週間くらいで契約締結までいけるでしょう。それ以上長い時間がかかるようだと、縁がないのかもしれません。「良縁は本当に簡単に素早く決まってしまう」と言うのが、多くのプロの共通した体験談です。
●売買契約から決済まで約1ヶ月
自分の家を買いたい人が現れて、無事に契約終了!とホッとするのも束の間。契約を終えた次の日から、住宅ローン不成立の不安が襲ってくることがあります。買う人の住宅ローンが金融機関から断られた場合には、売買契約が白紙に戻るという「融資利用の特約」が契約条件に付いている場合が多いからです。
売買契約後、買う人は舞い上がる気分でローン申込みのために忙しい毎日を送ることとなりますが、待たされる売主の方はけっこう辛い時間を過ごすことになります。この期間は、通常1ヶ月と言われます。まったく問題のない融資承認は1週間もあれば下りるのですが、この1ヶ月という期間には、ローン不成立の場合に第二、第三のローン申込みと審査の時間が含まれているようです。
売主の側も、漫然と待つのではなくて、もしローン不成立の場合にはどう対処するかを頭の片隅でちょっと考えておきたいですね。また、これは今後の記事で書きますが、ローン不成立の場合の売主にも色々な選択肢があります。
●最後に引越しまでの数日間
不動産の引渡しの原則は、お金と所有権移転登記に必要な書類と物件の鍵を同時に交換することです。お金を受取った代わりに、権利証などと鍵を買主に渡すのです。買い換えでない場合は原則通りでいいのですが、買い換えの場合にはそうもいきません。
AさんはBさんの自宅を買いました。自宅を売ったBさんがCさんの家に買い換えるとします。家を売ったBさんが受け取ったお金を今度は新居の売主Cさんに払って、Cさんはそのお金をもらってから引っ越す場合があるからです。Aさん、Bさん、Cさんと3家族の引越しを同時に行うことはできませんから、Aさんの引越しが遅れることが普通です。決済の翌日か、数日以内に引越しが完了し買い換えが完了します。
以上の日数を全部足すと、自宅の売却の媒介契約から物件の引渡し完了までは、約5ヶ月間となります。ずいぶんと長い時間がかかるのですね。
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