「ライフプランから家の買い替えを考える」シリーズでは、住み替えのきっかけとなるいろいろなライフイベントを通して、住まい方を考えてみるコーナーです。
親との同居問題は、家を買う理由にもなるが、買わない理由にもなる |
つまり、親と同居するために、家を買い替える人もいますし、逆に親と同居しないために、家を買い替えるというケースもあります。
親と同居しないために買い替える?
■親と同居するために、家を買い替えるケース
親を引き取るために大きな家が必要になって買い替えるとか、親元に戻って(Uターン)一緒に住むために家を売るとかという場合が多いです。
■親と同居しないために、家を買い替える
親と同居しなくても親の世話ができる住まいを探すということです。この場合は、親元に近い場所に家を買い替えて、別居を続けながらも子供の責任を果たそうとする人もいます。
あなたの親の老後をどう面倒を見るのか?ひとごとではなくて、真剣に考えて準備をする必要があります。
誰が同居を望んでいるの?
世間ではまだ「親と同居するべき」という建前や一般論で語られることが多いですが、実際のところはどうなのでしょうか?
国立社会保障・人口問題研究所が「第2回全国家庭動向調査」の結果概要を2000年3月に発表しています。この報告書には最近の興味深い傾向がでています。
■別居する親子は増え続けて7割!都心部では8割
■45~49歳の中年期の同居がわずかに増えている
■若い年齢層ほど親の近隣に住む割合が高い
親との別居が増え続けている背景には、実は親自身が同居を望んでいない現実もあります。親自身が元気に長生きしていますし、世話になるほどお金に困っていないという世代の事情もあると思います。
同居をする年齢が高齢化している(45歳を過ぎると親と同居する傾向が増えている)のは、親世代の長寿化で親の面倒を見なくてはいけなくなって、親との同居を始めるからだと思います。それは親の老後のことを避けてきたツケが回ってきたといっては言い過ぎだろうか?
逆に、若い所帯は、うまく親の世代との共存共栄を計っているようです。20歳代の妻の世帯では、親元から15分未満の近距離に住んでいる家族が4割以上もいるという調査結果でした。
もし、同居しないで近くに住むことが、お互いにとって良いことならば、いっそのこと親との別居を続けるための作戦を考えるという方向もあります。親との同居を考えなくても済めば、買い替えに挑戦できる人もいます。
これは子どもの対応として決して冷たいことではありません。何もしないで行き当たりばったりで対応することの方が、子供として無責任かもしれません。この際、親の老後の問題を本音で考えてみたらいかがでしょう。
同居のデメリットと別居を続ける作戦は、次のページで!