財団法人東日本不動産流通機構(レインズ)は、首都圏の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」を発表しました。
【レインズタワー】
中古マンションの成約率は全体として鈍っていますが、2004年は築後5年以下の若い中古マンションだけが前年の2003年を成約率で上回りました。これは、成約件数を新規登録件数(売りに出た件数)で割った数字を、築年数の5年ごとのグループごとに集計し、2003年の実績を比べた統計です。結論として、古いマンションは売れにくいということを裏付けることとなりました。

古いマンションが売れにくいワケ


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新築マンションの供給におされて中古マンションは大苦戦
マンションが1年古くなるごとに、一定率で価格を安くする査定方法があります。しかし、現実の買い手の感覚からすると、定率で年を経るごとに安くなるのではなくて、「古いマンション」と認識されると、大幅に安くないと食指が動かないことのほうが一般的です。

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確かに、築後20年以上を経過しているマンションは、「古い」とみなされます。築後30年を過ぎると、もう敬遠されるという感じで、売却がもっと厳しくなります。

築20年以上の古いマンションの場合に、若い人たちから敬遠されがちな理由をあげてみました。築20年というと、昭和60年までに建てられたマンションです。バブル経済期前のマンションと考えることができます。

○外見がスマートでない
窓の高さやハリの入れ方で作った年代が分かってしまいます。ただし、次から次へと新しい作品は出てくるので、新しいマンションもいずれは「古いマンション」と認識される日が必ずくるのです。むしろ、古さが風格や差別化につながる作品もあります。

○設備が古い
水道管や排水管は当然に交換されるべき時期です。(今の最新の管材は永久使用が可能ですが)特に問題なのは、エレベーターのモーターやポンプなどの機械類の寿命と健康度です。

○間取りが悪い
間取りにもはやりすたりがあります。古い間取りは使いにくいと感じる人が多いでしょう。しかし、マンションはコンクリートで囲まれた四角い箱を買っているようなものです。間取りや内装は、自分で変えることができると考えれば、致命的な問題ではありません。間取りが悪くても、そのぶん安ければリニューアルでよみがえります。

○耐震基準
耐震性が古いマンションの一番苦しいところです。チェックポイントはふたつ!昭和56年の新耐震基準を満たしているか?これは、この新法ができた昭和56年以降に着工したマンションだけが得られる「耐震性能お墨付き」です。

昭和56年時点ではすでに完成していた(あるいは着工していた)マンションができることは、耐震改修です。中古になってからでも耐震性の診断を受けることができます。阪神淡路大震災をきっかけとして平成7年12月にできた耐震改修促進法は、建物所有者に、中古になってからでも、新耐震基準を満たす改修工事や耐震補強をする努力義務を課しています。

※耐震改修促進法の対象となる「特定建築物」とは、昭和56年5月31日以前に着工されたのものうち、下記の用途に供される階数3以上かつ床面積が1,000平米以上の建築物です。用途:共同住宅、学校、病院、体育館など

増え続ける中古マンションのストック


中古マンションのストックは増え続けます。中古マンションが解体されたり、建て替えられない限り、動かない資産として市場に残り続けますから、ストック数は右肩上がりです。耐用年数が短く、20年や30年に姿を消す戸建とは対照的です。

築20年超の古いマンションの供給は、所有者の買い替えにより年々増えています。冒頭のレインズの統計によると、築後21年以上の古いマンションの構成比率(成約物件における築年帯別構成比率)は、この10年間で8.6%から37.3%と実に4倍以上の伸びを示しています。このすう勢が衰えることはないでしょう。

そうした意味では、中古マンションを資産ストックとして、どう活かして使い続けていくかが、とても大事な時代になっています。個人として、この中古マンションのストックを自分のマイホームプランに有利に利用する方法もあります。たとえば、古いマンションがそれなりに安ければ、リニューアルをして、古いマンションの長所をよみがえらせることができます。考え方ひとつで、他人とは違った、自分だけの中古マンション取得法ができるのです。

それでは、古いマンションの魅力はどんなところになるでしょうか?次のページでご案内します。