住宅購入の費用・税金/住宅購入の税金

何かと話題の住民税が4年間ゼロになる?(2ページ目)

6月の給与明細を見て、給与の入金額の減り方に衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか?所得税から住民税への税源委譲と、定率減税の終了で多くの人が給与振込み額の大幅減少を実感したことと思います。

千葉 由里

執筆者:千葉 由里

マンションの買い替え・売却ガイド

譲渡損失の繰越控除を受けるための条件とは?

控除を受けるための条件は事前に確認しておきたいもの
それでは、譲渡損失の繰越控除を受けるための具体的な条件とはどういったものなのでしょうか。

●売る年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていること

●買い替え先の住宅の登記簿上の床面積が50平米以上であること
※ここは販売上の専有面積は壁芯での表示なので注意が必要です。かならず登記簿を確認しておきましょう。

●返済期間10年以上など一定の住宅ローンを利用すること
※ちなみに住宅ローン控除との併用も可能です。住宅ローン控除については次回詳しく説明いたします。

●合計所得金額が3,000万円以下(給与所得のみの場合は年収約3,336万円以下)であること

●売る年の前年初から翌年末までの間に新居を取得し、取得した翌年末までに居住すること(居住する見込みであること)

●売った年の前年または前々年に譲渡所得の3,000万円特別控除などの適用を受けていないこと。3,000万円を超えた年は適用外。

●敷地面積500平米以下の部分の損失のみが対象

損が大きいほど税金が戻ってくる

所得税は所得に応じて税額が決まるので、所得税から差し引かれる譲渡損失が大きいほど税額が少なくなります。サラリーマンの場合は所得税が給与から天引きされますが、家を売って譲渡損失が出たら確定申告をすれば払った税金が戻ってきます。

さらに譲渡損失の繰越控除は、住民税にも適用されるので、損が大きくて所得の控除が大きいほど、所得に応じて課税される住民税も少なくなることになります。

ただし、譲渡損失が4年分の所得を超えると、4年間の税金がゼロになり、それ以上の税金は戻りません。

例えば年収800万円の場合、4年間の所得税と住民税が合計約300万円とするとその額が戻る税金の上限となります。

但し、これらはあくまで税金の控除に関するメリットの話。買い替えの場合には、住宅が損しないように売却できればそれに越したことはありませんので、その点はお忘れなく。

次回は住宅ローン控除について解説します。

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