さて、昨今不動産市場がやや下降気味ということもあるせいか、私自身の周辺でも、一旦休止していた買い替えに動く人が増えてきています。買い替えの醍醐味はなんと言っても、以前の住宅での失敗や使い勝手の悪さを踏まえたステップアップです。一度住宅を購入して、そこに住んで初めて住み心地や自分や家族への向き・不向き、使いやすさなどがわかるもの。買い替えの際には、今の住宅の不都合な点をきちんと明確にピックアップしておき、次にそれを活かせるようにしたいものです。今回と次回にかけて、いくつかの実例をもとにポイントを紹介したいと思います。

<買い替えステップアップ>Sさんの場合

住宅ローン控除と、公庫の市場最低金利が購入のきっかけに
都内の賃貸マンションに住む会社員のシングルSさんは、今から10年前、1998年の公庫が2%の史上最低金利かつ、住宅ローン控除が最大550万円という、外部環境で「買い時」と判断しました。

たまたま新聞のチラシに入ってきた物件価格を見てこれなら買える、と判断したSさんはすぐにモデルルームにいき、駅から3分、12階建てマンション最上階の部屋を、即日申し込みしたとのことです。


ちなみに、リクルートの「2007年新築マンション契約者動向調査」でも、シングル世帯の物件見学数が他のライフステージに比べて最も低く、そのなかでもシングル男性が平均3.3件と最も少なくなっています。ある意味、思い立ったら「衝動買い」という特徴が顕著なのがシングル男性といえるでしょう。なお、以前同社情報誌による調査で、見学回数が多いほど、住んでからの失敗やギャップも少なかった、という結果もあり、この点は、買い替えの際にも留意したいポイントといえるでしょう。

さて、話しを戻すと、Sさんが選んだポイントは、まずは無理のない価格で(3,000万円台)、かつ購入当事はシングルでも家族が増えても3人ぐらいまでなら耐えられる広さだったこと(3LDK62平米)。通勤を最優先にし、駅近だったこと。そして賃貸時代の音トラブルと侵入盗の経験から、最上階なら、上階の足音や泥棒に悩まされることがない、と判断したことなどの3点がポイントでした。特に、音に関してかなり神経過敏なSさんにとっては、住まいの音トラブルは死活問題。マンションを買うなら最上階と決めていたそうです。

では、賃貸体験での失敗をベースにした、Sさんの購入後の生活はどうだったのでしょうか?次のページで解説します。