注文住宅と建売住宅の相違点
ダイナミックな設計デザインは、やはりハウスメーカーなどの注文住宅が得意とするところ |
【注文住宅】
■メリット
・自分の好きな家が建てられる
・建物の品質・工事過程を自分の目でチェックできる
・ハウスメーカーなどの商品であれば、一定水準の性能が保証されている
■デメリット
・建ってみないと分からない(必ずしもカタログの写真と同じ商品ができるとは限らない)
【建売分譲】
■メリット
・一般的に注文住宅より価格が割安
・土地を探す手間が不要
・すでに建っているので仮住まい費用が少なくてすむ
■デメリット
・建っている現場を見て買うので分かりやすいが、構造部分までは自分の目で確かめられない
少し前までは、
■建売住宅→「戸建てに住みたいが、予算があまりないので、レディメード(既製品)でも構わない」という人向き
■注文住宅→「予算があって自分の好きなようにオーダーメードで建てたい」という人向き
というように暗黙のコースが決まっていました。さらに、建売住宅は敷地を小分けにして建てるので、値段は安いけど性能が低く、庭がなく隣家が差し迫っていて窮屈というイメージもありました。
地価下落と建築費の多様化で垣根が低く
しかし、最近はそういう図式が必ずしも当てはまらなくなってきました。というのも、バブル以降続いた地価下落と、建築費の低下・ニーズの多様化で両者の差が縮まっているからです。建築費については、ハウスメーカーであれば、資材の大量調達などによるスケールメリットを活かしてコストダウンを図っている一方、建売業界のほうでも、効率的な独自工法を開発したり、設備機器を大量発注して仕入原価を安くしたりして、コストの低下と性能アップに日々、切磋琢磨しています。
また、価格面でいえば、東京都区部でもマンションと大差ない価格で「建売分譲」もしくは「土地+注文住宅」が買えるようになってきていますし、最近は大半の住宅メーカー・ビルダーが土地から紹介しているので、「土地がないから建売住宅」「土地はあるから注文住宅」という棲み分けも薄れてきています。
事実、住宅産業研究所の調査によると、「戸建て注文住宅を本命に考えている人でさえ、25%(4人に1人)は、ほかに建売分譲やマンションも検討」しています。
次のページでは、それでもなお存在している両者の違いと、見極めのポイントについて紹介します。