「都会のリゾートハウス」という贅沢(3ページ目)

日常をエスケープするための空間づくり

潮騒と重なりながら聞こえてくる心地よいジャズの音。都心から1時間の葉山に7月にオープンした隠れ家ホテル「SCAPES（スケープス）」は、「都会の喧騒からエスケープする」がコンセプト。「シャネル銀座ビル」サイン計画や「名古屋ミッドランドスクエア」ファサードデザインを手がけた美澤修氏をアートディレクターに迎え、高感度なオトナたちを満足させる非日常的なラグジュアリー感を演出しています。

空の青をテーマに、落ち着いた色合いでまとめられた「サックスブルー」のベッドルーム。潮騒と心地よいクィーンベッドが深い眠りを誘う

ダークブラウンでまとめられたスイートルームは、住宅のリビングにそのまま応用できそう

全室スイートルームという４室は、それぞれ空・光・海・音をイメージ。最も広い部屋「サックスブルー」の内装は、ダークブラウンの建材「コクタン」でまとめられ、空の深い青をイメージする布を壁の一部にはめ込んでアクセントに。光をイメージする「マンダリンオレンジ」の室内は、ライトブラウンの壁にオレンジの布。音をイメージする「メープルローズ」の室内はベージュホワイトの内装に薔薇色のアクセント。いずれも壁の建材には木目調のウッドテイストが使われ、モダンな中にも自然の風合いを出しています。

視覚だけでなく耳にも心地よい空間を演出するべく、室内のAVシステムにはデンマークのバング＆オルフセンを採用。ともするとインテリア性の統一が損なわれがちなAV機器が、まるで絵画のように部屋の中におさまっているのは、そのスタイリッシュなデザイン性ゆえでしょう。

忙しい日常から一呼吸する場を住まいにも

日常を忘れる、こんな大人のライブラリースペースを住まいにも

「このホテルは、日常からほんのひと時離れ、明日への活力を蓄えていただく場。全室4室ならではのアットホームで行き届いたサービス、感受性の強いこだわりのあるオトナたちにも満足いただけるデザインをモットーとしています。実際、都会のこだわりのある男性方からのお問合せが増えていますね」と、同ホテルを運営するポジティブドリームパーソンズ経営企画室。まさに「男の隠れ家」を彷彿させるような上質な滞在感を前面に出しています。

忙しい日常から一呼吸。日常から「エスケープ」する場は、たまにしか行けない遠いリゾートやホテルよりも、本当は日々の住まいの中にこそ欲しいもの。オンとオフ。オフィスと我が家。長時間労働を余儀なくされる社会にあって、メリハリのある凛としたライフスタイルが求められています。都市型リゾートハウス的なライフフスタイルは今後も増えていきそうな気配です。

【関連記事】
見た目9割でキマル！ホームパーティ住宅
人生が変わる！キッチン住宅
【関連リンク】
・建築家とつくる家づくり「家・夢工房」
・自然派個性住宅「ビッグフット」