07年、大手のリフォーム戦略どう動いた？(2ページ目)

戸建てだけでなくマンションも、ショールーム拠点も増設

ハウスメーカーのリフォーム事業は、これまでの自社の戸建て物件だけでなく、自社以外の一般住宅やマンションへと、対象もどんどん広げています。より生活ニーズを汲み上げやすい女性のリフォームアドバイザーを活用したり、レジャー地にショールーム拠点を置いたり、今後のストック時代を見据えた先行投資が目を引いた2007年。以下、いくつかの例を見てみましょう。

■創立40周年で総力あげるミサワホーム

一般の木造軸組住宅の耐震リフォームにも対応できる制震装置「MGEO-R」も登場

1970年代からリフォームに取り組んできたミサワホームは、創立40周年の今年度、記念キャンペーンとして40万世帯の入居者オーナーをお礼訪問すると発表。築20年レベルの入居者にはリフォームを、築40年レベルには建て替えを提案するなど、攻めの姿勢に。リフォーム業界で初めてグッドデザイン賞を受賞した「リフォームシステム」を生かし、今年4月にハウスメーカーでは初めて、全国のホテル・旅館の客室リフォームにも乗り出しています。


■三井ホームリモデリング、東京ミッドタウンに大拠点

好調な定額制マンションリフォーム「M-STYLING」プレミアム

「三井のリフォーム」のブランド名で親しまれ、女性によるリフォームプランナーを組織化、生活者の視点を生かしたデザイン性で群を抜く同社。医院リフォームや音楽教室リフォームなど、特徴あるリフォーム提案でも注目されています。今年1月には、三井不動産のマンションリフォームを主軸とした定額パッケージ商品「M-STYLING」（エム・スタイリング）を発売。ライフスタイルや夢に合わせて暮らす新コンセプト「デザインズ・デザイン」を提案しています。


■古民家からマンションまで。「住友林業ホームテック」

「マンションにも木の家を」というキャッチでスタートしたマンションリフォーム「Ma:Ri」

木造軸組住宅供給No.1を誇る住友林業の供給住宅のメンテナンスから始まった同社。木造軸組の伝統工法に強いメリットを生かし、昨今ブームである築100～150年の古民家（旧家）リフォームでも定評があります。今年7月にはマンションリフォームにも本格参入。「マンションにも木の家を。」というキャッチコピーを掲げた全面スケルトンリフォーム「Ma:Ri（マリ）」を発売し、リフォーム金額の分かりやすい定額制も導入しています。


■東急ホーム×東急アメニックス「有明ショーサイト」

新築も建て替えもリフォームもここでOK。ビッグサイトの近くにオープンした「有明ショーサイト」エントランス

東急不動産グループ傘下で戸建て新築を行う「東急ホーム」とリフォーム専業「東急アメニックス」が手を組んだ共同ショールーム「有明ショーサイト」（1,317平方メートル）が、2007年10月にオープン。大塚家具やTOTO、大建工業、YKK APなどの建材メーカーと新たに提携し、「戸建て×リフォーム」のシナジー効果を追求。国産・輸入資材を共通化し、デザイン様式別に外装・内装を展示。新築・リフォーム両面から様々な提案をしています。

女性アドバイザーによる快進撃つづく

ハウスメーカーのリフォーム事業に共通して言えることは、女性の活用で効果を挙げていること。例えば、積水ハウスリフォームでは、営業スタッフ「リフォームアドバイザー」の多くに女性社員を数多く登用。出産育児などで退職した優秀な女性を再雇用したり、活躍しやすい職場環境を構築しモチベーションを高め、生活者として実生活に即した提案ができるうえ、「コツコツと実績を積み重ねキャリアアップに励む人が多い」と、今後も採用を拡大する方針だそうです。

家を買ったりリフォームする消費者の側も、それに応える企業の側も、ようやく「女性の時代」到来なのかもしれませんね。さて、2008年はどんなリフォーム・イヤーになるでしょうか。

【関連リンク】
・住宅リフォーム推進協議会「平成18年度　住宅リフォーム実態調査・概要」（PDF）