ここまできた！住宅展示場の「進化形」(2ページ目)

単独でオール電化・ライフスタイル提案の宿泊型も

東京電力とのコラボレーション・モデルハウス「Switch! House世田谷」。宿泊体験はキャンセル待ちが出るほどの人気

住宅展示場では各社のモデルハウスが比較検討できますが、どうしても1モデルハウスに滞在する時間が限られます。高気密高断熱の「冬暖かく夏涼しい」という体感や空気のおいしさといったことは1日滞在してみないと実感できません。そうしたことから、住宅企業各社が注力しているのが単独での宿泊型展示場という形です。

パナホームは2006年7月、東京電力とのコラボでオール電化宿泊体験モデルハウス「Switch! House」を東京・世田谷区にオープン。オール電化設備や松下グループの家電・設備を1泊2日じっくり時間をかけて体感してもらおうというもので、同様のオール電化宿泊モデルハウスを兵庫（夙川）、福岡、愛知（刈谷）、四国（宇多津）にもオープンさせています。

テーマパーク型宿泊モデルハウス「ミルクリーク・クラストパーク」を展開する東急ホームズ（写真は湘南クラストパーク）

東急ホームズ（4月より東急アメニックスと合併。旧東急ホーム）も2004年より「暮らすとわかる」をテーマに宿泊体験型モデルハウス「ミルクリーク・クラスト」を展開。2007年1月には、日本初のテーマパーク型モデルハウス「ミルクリーク・クラストパーク」を千葉あすみが丘にオープンし、第2弾として2007年11月、神奈川県藤沢に「ミルクリーク・湘南クラストパーク」をオープンしました。

北米の本格輸入住宅「ミルクリーク」の7つのモデルハウスがそれぞれ宿泊によって体感できるほか、各棟に「奥様のアイディアがいっぱいの家」「趣味を楽しむための家」「愛犬と暮らすための家」といったライフスタイル別に家族のストーリーを詰め込んでいる点が注目されます。自分の家で過ごすようにくつろぎながら、理想の暮らしを自由にイメージしながら宿泊できるというのが魅力です。

リフォームも視野に入れた「住生活総合展示場」も

新築からリフォームまでトータルに対応するショールーム「有明ショーサイト」

これから「200年住宅」「超寿命住宅」の時代になるなかで、新築・建て替えだけの展示場では時代に対応できません。2007年10月、合併前の東急ホームと東急アメニックスが新築からリフォームまで「わが家の未来が見渡せる場所」とのコンセプトでオープンさせた「有明ショーサイト」は、新築だけでなくリフォームまで1箇所で展示するという先行例として注目できるでしょう。

住宅に対するニーズが「新築中心」から「リフォームなどのストック重視」に転換しつつあるなかで、「住生活総合ソリューション会社」を目指す動きが今回の東急ホームズ誕生であり、また一つの展示場で新築だけでなくリフォーム・増改築まで視野に入れた建材展示・営業拠点とする動きは、今後の住宅業界でも増えていくのではないでしょうか。

……とここまで書いてやはり書ききれませんでした。展示場の進化形はまだまだあります。続きは次回で！

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