長期優良住宅/長く暮らせる家

年収800万なら長期優良でいくらトクする?(2ページ目)

今年6月にスタートした長期優良住宅。様々なメリットがあるにもかかわらず、まだ消費者には行き届いていない模様。「一体いくらトクになるの?」という疑問にズバリ、「数字」で試算例を一挙ご紹介!

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド

メリット1:長期優良住宅枠なら53万円多く還付される!

冊子
前述の冊子にはどんな住宅が長期優良住宅に認定されるのかイラスト入りで分かりやすく書かれている
今年4月からスタートしている平成21年度税制改正による新・住宅ローン減税では、一般住宅の最大控除額が500万円のところ、長期優良住宅に認定されると100万円アップして最大控除額が600万円に(平成23年入居まで、平成24年入居は400万円、平成25年入居は300万円)。控除率も一般住宅が1.0%のところ、長期優良住宅なら1.2%までアップ(平成21~23年入居まで、平成24・25年入居は1.0%になる)するということは、すでに各報道でご存じの方も多いと思います。

ではこの減税額アップがどれくらい違うかケースで見てみましょう。年収800万円の夫婦+子供2人世帯が住宅ローン3000万円を金利年3.0%、返済期間30年元利均等返済で借りた場合、一般住宅枠の住宅ローン減税額の10年間合計額は2,657,800円(うち所得税分2,539,100円+住民税分118,700円)のところ、長期優良住宅枠を使うと10年間の減税合計額3,189,500円(所得税2,605,000円+住民税分584,500円)となり、実に約53万円(531,700円)も減税効果が高くなります(住団連試算)。

確定申告
毎年10年間にわたり年末の確定申告で20~30万円還付されるのは心強い
これは10年間の合計額ですから、1年ごとにならすと20~30万円が年末調整で還付されるということ。上記試算例では一般住宅では毎年末23~29万円が戻ってくるのに対し、長期優良住宅枠なら27~35万円が毎年末に戻ってくるということに。ボーナスが激減傾向にある中で数万円多く戻ってくるとあらば、プチボーナス代わりになりますよね。

一般住宅枠より長期優良住宅枠を使ったほうがメリットが出てきやすいのは、年収600万円以上の世帯。それ以下の方は実際のところいずれの枠を使ってもあまり変わらないのですが、年収600万円を超えると俄然、長期優良住宅のほうがオトクになるようです。

メリット2:投資減税なら所得税46万円が還付される!

ローン減税は住宅ローンを組む人が対象のため、ローンを組まずに現金で長期優良住宅を買う人にも特典を用意したものが、投資型減税。長期優良住宅にするために性能強化した費用相当費用分(上限1000万円)の1割を、その年分の所得税額から控除。控除しきれない金額は翌年分からも控除するもので、長期優良住宅の所得税特別控除とも言われています。
投資型減税
年収800万円のケースでは2年間で46万円もの所得税額控除が受けられる。つまり、2年で46万円払った所得税を取り戻せるわけだ

これは上の住宅ローン減税と違い、税額そのものを1割控除してもらえるので、恩恵が大きいのがメリットです。

メリット3:登録免許税の引き下げ

一般住宅の税率が所有権保存登記0.15%、所有権移転登記0.3%になっているところ、所有権保存登記0.1%、所有権移転登記0.1%に引き下げ。

メリット4:不動産取得税の税控除増

課税標準からの控除額を、一般住宅特例が1200万円のところ、1300万円に控除額を増額。

メリット5:固定資産税の軽減延長

一般住宅の減額措置が、戸建てが3年間1/2、マンションが5年間1/2のところ、長期優良住宅なら戸建ては5年間1/2、マンション7年間1/2に延長。

次ページでは住宅ローンの優遇による試算例をみてみましょう。
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