住宅設備・建材の選び方/住宅設備・建材選び

宝の持ち腐れにしない住宅設備選びのポイント6

新築やリフォームの際に、いろいろと悩んで取り入れても、結局あまり使わなかった機器や使いこなせなかった機能はあるものです。ここでは、せっかく選んだアイテムが宝の持ち腐れにならないために、選ぶ前に確認しておきたいポイントをまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

Point1 家一軒分の設備や建材は多種多様。こだわるアイテムを明確に

新築であれば選ぶアイテムは多種多様。工事中に変更の無いようにしっかりと検討したい

新築であれば選ぶアイテムは多種多様。工事中に変更の無いようにしっかりと検討したい

新築やリフォームの際には、さまざまな設備機器や建材を選ぶことになります。新築であれば、キッチンなどの水まわりから、フローリングといった内装建材、外壁材や門扉などのエクステリアまで、家一軒分のたくさんの設備や建材を選択していかなくてはなりません。

ひとつひとつショールームで確認したり、カタログで比較するなど、時間とパワーはかなりかかるものです。すべてにパワーかけることができれば、後悔も少ないかもしれませんが、アイテムによっては、細かく吟味できずに決定しなければならない、というケースも多いでしょう。

設置したけれどあまり使わなかった、さまざまな機能があるのに使いこなせなかったというケースをなくすためには、まず、優先順位を明確にすることから。「それほど必要でもないけれど、せっかく新築するのだから」といって、取り入れたアイテムや機能は、結局、有効利用されないケースも多いものです。こだわるアイテムや機能をリストアップすることで、わが家に必要なアイテム、必要な機能を整理することができるでしょう。

Point2 設備や建材アイテムの種類、それぞれの特徴を理解して選ぶ

住まいで用いられる設備機器や建材は、さまざまな商品が数多く発売されており、特に最近の機器や建材の性能、デザインは、ともに高まってきています。優先順位を明確にするためにも、機器や建材の種類、傾向や特徴をある程度理解しておくことも大切でしょう。

たとえば、システムキッチン。デザインやプランのバリエーションは豊富で、ビルトイン機器もさまざまなラインナップが設定されています。水栓金具であれば、ハンドシャワーや浄水機能付きのもの、自動水栓やタッチレスタイプの水栓なども揃っています。人気の設備のひとつである食器洗浄乾燥機にも、いくつかのサイズや機能がみられ、洗浄方法に工夫のあるもの、節水性能を高めたもの、操作部分のデザイン性を高めたものなども。いずれも、家族構成や食事のスタイルなどに適する商品や機能を持つものを選ぶことがポイントでしょう。

また、人気の設備のひとつである床暖房も熱源や方式によって特徴は異なります。主に用いられる温水式と電気式それぞれのメリットデメリットを理解して、間取りやライフスタイルに合った機器を選ぶことで、快適で効果的な使い方をすることができるでしょう。気になる機器、アイテムに関しては、特徴や最新傾向を事前に確認しておくことが大切です。

Point3 家族構成やライフスタイルを考える

シャワーも多機能化が進んでいる。シャワーの使い方に合わせたシャワーも多機能化が進んでいるが、わが家のシャワーの使い方に合わせたタイプを選びたいタイプを選びたい

シャワーも多機能化が進んでいるが、わが家のシャワーの使い方に合わせたタイプを選びたい

日々の快適性や利便性を高める設備機器は、魅力的に感じるものが多くみられます。たとえば、設置するケースも多い浴室換気暖房乾燥機。湿気がこもりやすい浴室を乾燥することができて、雨の日でも洗濯物を干すことも可能、寒い冬でも暖かく入浴できるのが魅力です。また、ミストサウナ機能などが搭載されたタイプもあり、人気の設備機器のひとつでしょう。

しかし、ひとくちに浴室換気暖房乾燥機といっても、熱源や設置方法、機能などによっていくつかのタイプがあります。選ぶ際は、わが家に必要な機能を明確にして検討すること。たとえば、共働きで幼いお子さんがいる場合は、洗濯乾燥機能が重要でしょうし、高齢の方がいるのであれば暖房性能を重視したいものです。

気をつけたいのは、他の設備や商品との機能の重なりや間取りとの関係。たとえば、新築を機に乾燥機能付きの洗濯機を購入する予定があったり、部屋干しをするスペースを確保しているのなら、洗濯乾燥機能は重視しなくてもいいかもしれません。また、洗濯機置き場と浴室が離れているような間取りの場合、結局面倒になって洗濯物を干さなくなってしまうケースもあるものです。いずれの設備機器でも同様ですが、設備機器単体で考えないことも大切なポイントでしょう。

Point4 現在だけでなく少し先の暮らしもイメージする

現在の家族構成やライフスタイルだけでなく、少し先の暮らしをイメージすることも必要です。

たとえば、浴室プラン。子供と一緒に入れるように大きなバスタブのある広々とした浴室にしたいと思っても、「一緒に入ったのは建ててから一年間ぐらい。ひとりならもう少し小さくてもよかったかも」という声も聞かれるように、数年後にはもったいなさを感じてしまうケースも。もちろん、お風呂でのコミュニケーションを重視したいという考え方もありますから、一概にどちらが良いともいえませんが、今のライフスタイルと少し先のスタイルもイメージして、最終的に判断することも必要でしょう。

Point5 新しい便利な機能が、わが家にとって使いやすい、とは限らない

最近の設備や建材は、誰にとっても使いやすいユニバーサルデザインが基本。操作しやすく、使い勝手のいいアイテムは多くみられます。しかし、利便性をより高めたり、美しさやオリジナリティを求めた機能やデザイン、アイデアは誰にとっても心地よい、とは限らないものです。

たとえば、システムキッチンには、さまざまな収納ユニットやパーツが揃っていますが、手持ちの調理道具や調理の進め方によって適する収納アイテムは異なります。具体的に何を収納するのか、出し入れはしやすいか、が重要で、やみくもに取り入れても使い勝手がいいとは言えないでしょう。

また、最近のトイレ機器は、機能性もデザイン性も大きく進化し、使い勝手はもとより、お手入れや掃除のしやすさ、省エネルギー性能など、メーカーごとにさまざまな工夫を施した商品が多くみられます。清掃性や節水性などは重視したいポイントですが、おしり洗浄や乾燥、暖房や節電、脱臭や抗菌など、多くの機能を持つ便座は家族構成などに合わせて検討することが大切でしょう。いずれも実際にショールームで操作するなどして、わが家のスタイルに必要なモノを取り入れることがポイントです。

Point6 空間プランとの関係性を考慮すること

デッキスペースの使用目的や動線を検討し、広さや素材を選びたい

デッキスペースの使用目的や動線を検討し、広さや素材を選びたい

エクステリアプランの中で、上手に活用している場合と使いこなせないケースがみられるのが、ウッドデッキやサンルームなどかもしれません。せっかく設けたスペースでも、行き来がしにくかったり、隣近所や道行く人からの視線が気になるようでは、なかなかうまく利用できないものです。

たとえば、「家族や友人を招いてお茶を飲みたい」場合は、キッチンから近い方が便利でしょうし、「もうひとつのリビングとしてくつろぎたい」のであれば、家族誰もが行きやすい場所に設ける方がいいでしょう。また、プライバシーを確保できる場所に配置したり、プランによっては視線を遮る目隠しフェンスなどを取り入れることも考えられます。


宝の持ち腐れになってしまっている原因は、どちらかというとアイテムや機能、スペースそのものが使い勝手が悪いというよりも、ライフスタイルに合っていなかったり、多くの機能は必要なかったり、設置する場所によって使いづらい、ということが挙げられるでしょう。設備や建材選びも含め、家づくりを進める際には、暮らし方や住まいに対する思いを改めて見直すことがとても重要。家族みんなで、新しい住まいに何を求めるのか、本当に必要なアイテムや機能は何か、現在の暮らし方と将来的な暮らし方を踏まえて考えることが大切です。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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