商品バリエーションも豊富に。ショールーム展示も充実
防犯性能も高く、明るく風通しもいい勝手口ドア。一日で施工が可能。[リシェント 勝手口ドア 断熱仕様] LIXIL
もちろん、リフォーム向けと謳っていないアイテムも、リフォームの際に用いることはできますし、新築でもリフォームでも、それぞれに必要な性能や機能は基本的には変わりません。また、リフォームはそのプランニングによって、工事内容も大きく異なるので、すべてのリフォーム向けの機能や性能が適するわけではありません。しかし、リフォーム向けに開発された商品の特徴や適しているプランなどを理解することで、わが家のリフォーム計画が具体的な方向へ進むこともあるのではないでしょうか。
各メーカーのリフォーム向け商品の特徴を大きく分類すると、まず、既存の形状のまま対応できること、また、既存スペースを有効利用できること、既存の素材の上から設置できること、そして、短い期間で施工が完了すること。いずれもさまざまな制限や制約のあるリフォームに対応できることが特徴でしょう。
玄関扉や窓、室内建具 既存の形状(開口部)のまま対応できる
木目を抑えたデザインの室内引戸。既存のスペースに合わせてリフォーム可能。 [リフォムス 内装ドア 上吊り引戸(アウトセット納まり) WB型] パナソニック エコソリューションズ
たとえば、玄関扉であれば、既存の枠に新規の扉を取り付けることができるものがみられますし、勝手口扉にも同様のタイプが揃っています。窓サッシにも外壁をいじらずに、既存の枠にベース材を取り付けることが可能なものが増えてきており、商品バリエーションも豊富に。また、部屋の中から設置し断熱性や防音性などを高める内窓、現状の窓に設置できる雨戸やシャッターなども揃っています。
水まわり 既存スペースを有効利用できる
リフォーム箇所で多いのがキッチンやバス・サニタリーなどの水まわり。日々酷使する水まわりは、住まいの中でも、機器の老朽化や不便さなどが気になると同時に、快適な毎日を過ごすために、より新しく使いやすい機能を求める部位とも言えるでしょう。水まわりのリフォームに適したアイテムの特徴は、既存のスペースを有効活用し、使い勝手を向上させた商品が多いということ。壁や柱を動かすような大掛かりな工事をしなくても、快適性がアップするような商品がみられます。
たとえば、システムキッチンであれば、既存のスペースに納めることができるタイプや細かなサイズ調整が可能なもの、排水管や換気扇などの移動が難しい部分に対応できるタイプや既存の壁穴を利用することでダクト工事を不要にしたもの、排水管を移動せず新しい機能を持つ水栓を設置できるものなどもあります。また、同じサイズでもユニットの納まりを工夫することで、より大きな収納スペースを確保することができる商品もみられます。
限られた空間を広くする工夫を施したシステムバス。内組み・分割構造なので組立もスムーズに。 [マンションリモデルバスルーム ひろがるWGほっカラリ床シリーズ] TOTO
また、トイレには、限られたスペースでも設置しやすいように形状に工夫を施したもの、コンパクトなサイズの便器など。既存の給排水を利用して手洗器も設置できるなど新規の給排水工事が不要なもの、カウンターや収納など空間をトータルに提案したシリーズなども出ています。これら水まわりの商品は、制限の多いマンションリフォームでも取り入れやすい工夫がなされているタイプが多くみられるのも特徴でしょう。
屋根材や内装建材 既存の素材の上から設置できる
建材では、既存の素材を取り除かず、その上から施工可能な商品も揃っています。たとえば、既存の屋根を剥がさずに、その上にのせる直接施工の屋根材など。軽量のタイプも多く、地震への配慮を施したものもみられます。また、外壁材も同様で、専用の下地材を取り付け、そこに直接設置することができるサイディングやタイルなどが揃っています。内装材では、既存の床材の上に直接設置できるフローリングやタイル、階段部材などがみられます。これらの直接施工のタイプを用いることで、廃材を出さず、環境にも貢献できる、というメリットもあるでしょう。
住みながらのリフォームでも可能、短い期間で施工が完了する
どのようなリフォームを行うにしても、工事期間は気になるものです。特に住みながらのリフォームは、 精神面だけでなく、トイレやバスなど部位によっては、工事中に使用できないことが不便であったり、防犯上心配なこともあるでしょう。そのようなニーズに応え、短い工事期間で済むような商品が多くみられるようになりました。前述の既存のものに直接施工するタイプは短工期にもつながりますし、施工が簡単になるような形状、専用パーツを揃えるなどの工夫を施した商品も多くみられます。また、状況に合わせて、現場でカットすることができるようなタイプや段差や隙間に対応できるパーツを揃えた商品もありますし、マンションなどスペースに制限があっても、パーツを分割するなどして、搬入しやすいように工夫を施したタイプなども多くみられます。
このようにリフォーム向けの設備や建材は数多く開発され、さまざまな要望に応えることが可能になってきています。しかしリフォームは、既存の建築物の状況、構造や築年数、間取り等によってその内容は大きく異なるもの。設備機器や建材だけではなく、全体のプランニングが重要なことは言うまでもありません。設計者・コーディネーターとじっくりと検討を重ね、機器や建材を選ぶ際は、ショールームで実物を確認することが納得のいくリフォームへの早道でしょう。
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