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シンガポールに学ぶ 持ち家率の高い理由(2ページ目)

独立後、急成長し先進国の仲間入りをした国シンガポール。国の土地面積は小さいけれど持ち家率は高く、多くの人が近代的なフラットに住んでいます。その住宅事情について、シンガポール現地取材第一弾です!

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

シンガポールの住宅の性能は?

ユニバーサルデザインのスイッチ
ユニバーサルデザインの精神に基づき大きいスイッチがつけられていました。
日本では住宅性能表示制度という法律によって、地震対策、高齢者対応、防犯対策など9つの区分で住宅の性能について評価する仕組みがあります。シンガポールでは同じような取り組みはあるのでしょうか? HDBの広報担当のアンジェリン・オン女史にインタビューしました。

ガイド:
日本には住宅の性能を評価する法律がありますが、シンガポールではそのような法律または制度はありますか?
オン女史:
シンガポールには制度はありませんが、同じような項目に配慮をしています。例えばバリアフリー。HDBのつくるマンションではユニバーサルデザインを取り入れています。床はフラット、コンセントのスイッチ類は大きく、手すりは必要がないのではじめは取り付けていませんが、必要になったときは取り付けられるようになっています。


マンションの建設現場
建設中のマンションの様子。壁や床はコンクリートのパネル状のものを組み立てる、いわゆるプレハブ方式。
ガイド:
地震対策についてはいかがですか? HDBの建てる高層マンション(40階~)の構造を教えてください。
オン女史:
高層マンションの構造はSRC(鉄骨コンクリート)造です。柱、梁などのフレームは現場でつくり、壁、床は工場でパネル化したものを運んできて現地で組み立てます。パネルをつくる工場は国内にたくさんのメーカー(民間)があり、またインドネシアやマレーシアなど海外の工場からも輸入します。地震対策についてはシンガポールはもともと地震のない国のため、特に気を使っていることはありません。一昔前までは壁はレンガ造でしたが今ではコンクリート製のパネルとなり、より安心になっています。。


リビングにつけられた高窓
リビングには足元から天井までガラス面が設けられ、下部のガラスはFIX、真ん中には落下防止手すりを設置するなど安全面の配慮がみられます。
ガイド:
窓の大きさについてはいかがですか?
オン女史:
シンガポーリアンは大きな窓が大好きです。居間には床から天井までの高い窓がついているのが一般的です。

ガイド:
シックハウス対策はとっていますか?
オン女史:
シンガポールは常夏の国で、年中窓を開け換気しているためシックハウスが問題になることはあまりありません。日本は冬があり、閉め切ることがあるため問題が多いのでしょう。

ガイド:
火災の時の避難対策はなにかとっていますか?
オン女史:
出入り口は頑丈な扉になっていて(日本でいう甲種防火戸のようなもの)、隣で火災が起こっても食い止めるようになっています。

ガイド:
上下階で音の問題はありませんか?
オン女史:
あまり聞いたことはありません。住む人によって感じ方も違ってくるので一概に言えない問題です。

窓のクレセント
窓のクレセント部分。ダブルロックなどの配慮はない。窓枠はアルミ製。
ガイド:
防犯性についてはいかがですか?
オン女史:
シンガポールでは侵入盗は非常に少なく、特に問題になったことはありません。


以上、住まいの性能の部分についてインタビューさせていただきました。シンガポールは地震がない、治安が良いということで、それらのことについて特に対策をとっていないものもあるけれども、だいたい日本と同じような項目に配慮した住まいづくりを行っていることがわかりました。

【関連記事】安全なマンションを見極めるコツ 

それでは次のページで気になる広さと価格について見てみましょう。
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