マンションでのバリアフリーの取組み
身障者用駐車場はエントランスに一番近いところに設けられ、スロープと点字ブロックでエントランスにつながっています。 |
東京都の例でみると床面積2000m2以上のマンションに適用されます。その規模以上のマンションでは、前面道路から自分の住戸の入口までを安全に利用しやすい形にすることが義務付けられます。通路の床段差をなくすこと、手すりを設置することで、お年寄り、体の不自由な方、ベビーカーなど全ての人を対象に利用しやすくなります。
ただスロープを設ければよいわけではなく、滑りにくい床材を使用したり、車輪が挟まれないようにグレーチング(排水溝の金属性のフタ)の溝を細めのものにしたり、耳が不自由な人、目が不自由な人のために音声ガイドや点字ブロックが設けられることになります。マンション内にはいってからも、住戸入口にいたる通路やエレベーターは車いす使用可能な幅、大きさ、車いすの回転ができるスペースを設けるなど、様々な対応がとられます。
このような対策がとられていることは大規模マンションを選ぶ一つのポイントになると言って良いでしょう。これからは買い替えよりも手入れして長く住む時代です。妊娠、子育て、老後とライフステージの変化に対応できるやさしい住まいを選ぶことは大切なことです。
それでは次に住まいの中のバリアフリーについて触れてみましょう。
住戸内の床段差は本当にない方が良いの?
バリアフリーというとまず思い浮かぶのが床の段差解消、手すりの設置などですね。果たして床の段差は本当にない方が良いのでしょうか。車いすを使用する場合は10mmの段差でも乗り越えるのが困難であること、車いすを使用しない人でもつまづいて転ぶなど家庭内事故の原因になることがあり、段差はないに越したことはありません。新築のマンションではバリアフリー化が進み、玄関や浴室以外の床はフラットになっているケースが多いです。玄関でも、靴をはくたたきの部分と靴を脱ぐ玄関ホールの仕上材を変える、境目に色の違う仕上材を入れるなどの工夫で空間を仕切り、段差を設けない例もあります。
しかし住戸内にはどうしても段差が出やすい部分はあります。また、すでに段差のあるお住まいの場合は「段差を見分けやすくする工夫」で対処することも可能です。つまづくのは段差に気がつかないことが原因です。照明器具を取り換えて明るくしたり、段差の部分に色をつけて見やすくするなどの対応を取ると良いでしょう。
それでは次のページで手すりは付けたほうが良いの?という疑問にお答します。