事例1:上下階の子どもの足音
スリッパのパタパタという音は軽量床衝撃音のひとつです。
重量床衝撃音は、床の構造や仕組み(二重床・二重天井)によって左右されますが、こちらは住み始めてしまってからはなかなか手が付けられない部分なので、今回は住まい手の工夫で軽減できる軽量床衝撃音の解決策を挙げてみましょう。
遮音性の高いフローリングに変える
床の仕上材としてフローリングは人気がありますが、音が響きやすいという特徴があります。もし音の問題が気になるようであれば、思い切って遮音性の高いフローリングに交換する方法もあります。フローリングの遮音性能は下表のようなLL値で示され、LLの後に続く数字が小さければ小さいほど遮音性が高くなります。普通品でLL-60程度です。【表-1 L値一覧表】L値とその値が示す遮音性能の目安。(出典:日本建築学会) |
マンションでフローリングを使用する時はLL-45~LL-40といった高い遮音性のあるものをお勧めします。リフォームで床材を他のものからフローリングにしたい場合も同様です。床材の変更は騒音問題と密接な関係があるため、マンションではリフォームでフローリングにするときにフローリングの遮音性能を指定している管理組合が多くなっています。
フローリングは人気がありますが、下階が寝室など静かな環境を必要とする部屋であれば、ジュータン、カーペット、または畳仕上げの方が音が気にならないかもしれません。
防音カーペット、じゅうたんを敷き詰める方法
別な方法として、現在の床材の上に、カーペットやジュータン、コルクなどのクッション性のある敷物を敷いてみましょう。その際、床の一部に敷くより床全体に敷き詰めた方が効果がアップします。遮音性を高めた「防音カーペット」にはLL-30、LL-40の遮音性能をうたうものもあります。防音カーペットの例を載せます。株式会社スミノエ サウンドガード・カーペットシリーズ。
サンゲツ ファミタ・ライト。
子どもが走りまわれない家具配置に
その他の解決策として、子どもが走りまわれないような家具配置にする方法もあります。小さいうちは家具の周りをぐるぐる回遊できる配置をやめるといった工夫でのりきりましょう。玄関ドアのドアクローザーの例。 |
ドアの開け閉めは丁寧に
ドアの、バタンという開閉音も意外と上下の住戸に響くものです。日頃から開け閉め方法に注意するほか、ドアクローザーをつけてゆっくり締まるようにする方法もあります。ドアクローザーとは、ドアの上部についている装置で、開けたドアを自動的に閉める、もしくは開けたままにしたり、ドアの閉まる速度を調整できたりします。ホームセンターやインターネット通販でも購入できます。ドライバー1本で取り付けが可能、お値段は4,000円/個程度からあります。
ふすまや引き戸には戸当たりテープを
また、ふすまや引き戸の開閉音が気になるときは戸当たりテープを張っても良いでしょう。戸当たりテープは数百円から、こちらもホームセンターまたはインターネット通販で購入可能で、自分で簡単に取り付けできます。次のページでは、外から飛び込んでくる騒音対策を見てみましょう。