適切な管理をすることなく資産性の維持はできません
もし適切な管理のもとで品質が保てていれば、売却や賃貸時も有利ですし、孫の代まで長持ちするマンションとなれば「大切な資産」として引き継ぐことができます。また、マンションは個人だけでなく社会全体の大切な資産でもあります。建物が長持ちすることは地球環境や資源の保護につながり、社会全体に貢献できるという大きな意義もあります。
高耐久、資産性の高いマンションの条件
ここで、「資産性=長持ちするマンション」と捉えたときに、そのようなマンションである条件には以下の3つが考えられます。(1)構造そのものが丈夫な造りになっている
(2)スケルトン・インフィルでリフォームに耐えられる仕組みになっている
(3)竣工後の管理をしっかり行っている。
今回は3つめの条件である「竣工後の管理」にスポットを当ててみましょう。
建物の管理が大切なわけ
「新築物件であればいつまでも新しくきれいなままである」――というのは残念ながら事実ではありません。どんな建物でも、建物が完成したあとにはすぐ劣化が始まります。つまり建物は、竣工したときが一番機能も性能も良く、時間とともに風雨にさらされ、太陽に照らされながらそれらはじわじわと後退していくものなのです。ですから、もし建物を長持ちさせ資産性を高く維持したいと思ったら、建った後に適切な管理を行って、出来るだけ劣化を遅らせたり、時には大掛かりなリフォームを施して元に近い状態まで戻してやったりすることが大切なことなのです。
建物の維持管理は誰がする?
戸建住宅の場合は、その家に住む人が建物の維持管理を行いますが、マンションは多世帯の集合体なので、多くの場合、建物の維持管理は住人の代表が集まった「管理組合」が主導して行うことになります。マンションは戸建と違いこの「集合体」であるという点が、適切な維持管理を阻む「壁」となっている例を見かけます。1人1人の意識が戸建住宅よりも低くなりがちであることや、建物の規模が大きくなることでより専門的な知識が必要となり、その分労力が必要となることもあるでしょう。それでも、これからの時代、大切な資産となるマンションですから管理をおざなりにするわけにはいきません。
マンションの維持管理とは?
落ち葉掃きなどの日々の清掃作業も大切です
「修繕」には外壁の再塗装や屋根の防水修繕、コンクリートの劣化修繕、空調機器、給排水設備、電気設備の修繕などが該当します。「改良」にはバリアフリー化工事、省エネ化、耐震化、などが該当します。
購入時にアフターサービス・フォローもチェック
定期的な外壁や屋根の補修も必要です
デベロッパーもしくは関連会社が参加して長期修繕計画を計画し、修繕時期を管理し、修繕を実行し、居住者に対しホームページなどで修繕工事の取り組み状況を報告したりするというものです。もちろん適切に修繕履歴が記録されることになります。
建物に詳しい売主の協力があれば、より理想的な管理をしていける可能性が高まりますので、引き渡し後の「管理」や「アフターフォロー体制」が整っているデベロッパーのマンションを選択するのも一つの方法です。万が一、もしなにか気に入らないことがあれば、 マンション管理を専門にしている会社もたくさんありますので管理会社の変更を検討してもよいでしょう。
管理の主体はあくまでも住まい手
しかし、マンションの適切な管理主体となるべきはそこに住む住人の方々です。大切な資産となるかどうかは住み始めた後の「管理」にかかっています。住人全員が建物の管理の重要性を認識し、適切な維持管理を行い、愛着を持って、長く、大切に住めるマンションに育てていきたいものですね。【関連記事】
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